双子の哀しみ。 ページ24
夜。肌寒く、雪の降り積もった草原。
白い百合の花を積み、九鬼正宗はある場所を目指していた。
一人、ザクザクと歩く音が響く。
すると見えてきたのは墓だった。
刀剣たちが元の主を偲ぶために作られたもの、そこにはもちろん九鬼五郎八の名が刻まれている。
"関ヶ原の英雄、九鬼五郎八此所に眠る"
そこに白い百合の花を。
「五郎八様、知ってますか?白い百合の花言葉は、"純潔"と"威厳"なんです。強く生きた貴方にぴったりの名前。」
そして、大きな木の下に向かった。
「うう…う、ああ…」
其処で独り必死に声を殺して泣く九鬼。
「九鬼。」
「九鬼ちゃん。」
「日向、主様…私、九鬼五郎八様に会ったのです。今だって、主様の刀になれて良かったと思っています。けれど、いざ前にしてみると、懐かしくて、哀しくて…!!」
何も言わずに九鬼を抱き締める杏奈。
震えてる。泣いてるんだね、主様…
「最後に言ってたんです…ありがとうと、もう声になっていなかったけれど、最後に、たった一人私を、九鬼正宗を…"愛していた"と…!」
「辛かったね…!私がいるから、泣いていいからね…!」
「あるじ、さまあ…!うわあああ…!」
僕も九鬼を抱き締めた。
僕たち三人で、雪の降る夜、たくさん泣いた。
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桜花(プロフ) - 今まで連載を見てくださった方々、本当にありがとうございました。ここで、日向正宗と双子の物語。は完結です。本当にありがとうございました!! (2019年10月13日 14時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» 初めていただいたリクエストを書いたのですが…どうでしょうか?可愛い路線にしたのですが…!嘘月さんのご期待に応えられるように頑張ります! (2019年1月2日 22時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» あけましておめでとうございます!そしてレスありがとうございます!お餅つきですね!頑張ります!! (2019年1月2日 12時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
嘘月(プロフ) - 桜花さん» あけましておめでとうございます!!ネタ、なのですが、餅つき、とかいかがでしょう? (2019年1月2日 12時) (レス) id: 330b7fd244 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん!お友達申請まで…!!本当にありがとうございます!それと、もしよろしければ、ストーリーのリクエストをいただけませんか?よろしければなので、もし無くても気にしないでください! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2018年11月3日 20時