消えない不安。 ページ22
「今日の出陣地域は関ヶ原!"織豊の記憶"!出陣メンバーは、さっき言った通りよ。」
関ヶ原の、戦い…織豊の記憶。
日向も、毛利様もいる…
五郎八様…
「大丈夫だよ、九鬼。僕がいる。」
「日向…。」
優しく握ってくれた手を握り返した。
そして出陣。
「思ったより数が多い…!私は向こうの敵を片して来ます!」
林の中に飛び込んだ九鬼。
「がら空き!もらった!」
敵を一掃する。
どうやら大分離れちゃったみたい。早く皆のもとに戻らなきゃ…
ガサッ
「…敵?」
急いで刀を構え、周囲を警戒する。
しかしそれは─…
「…っ!!」
九鬼正宗の元主、九鬼五郎八だった。
五郎八は傷だらけで、誰が見ても追い込まれていることがよく分かった。
「…はあ、はあ…女の…兵士か?それにその刀は…?」
「…!」
九鬼は黙ってサッと刀を隠すようにしまった。
「…すまぬ。名も知らぬ女兵士よ…我の最期を、見届けてはくれぬだろうか…」
「……!!五郎八、様…!」
「…?我を、知っているのか…?不思議な…縁だ、な。我も…そなたとは初めて会ったようには思えぬ。まるで遠い昔から会っているかのように。」
歯を食い縛る。それでも涙は止めどなく溢れてくる。
「我の最期を見届けてくれて、感謝する…九鬼正宗に似た刀を持つ、美しき女兵士よ…そして九鬼正宗…最期の使い方が、自害で…本当にすまなかった。我には九鬼正宗が…本当に勿体ない位だった…ありがとう…。」
九鬼正宗で自害をした九鬼五郎八。
「…!!」
九鬼五郎八は最期に笑っていた。
私に、"ありがとう"と。
私は背を向けて走った。
振り返ってしまうのは、きっと九鬼五郎八様の死への侮辱になる。
だから、後ろは見てはだめ…
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桜花(プロフ) - 今まで連載を見てくださった方々、本当にありがとうございました。ここで、日向正宗と双子の物語。は完結です。本当にありがとうございました!! (2019年10月13日 14時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» 初めていただいたリクエストを書いたのですが…どうでしょうか?可愛い路線にしたのですが…!嘘月さんのご期待に応えられるように頑張ります! (2019年1月2日 22時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» あけましておめでとうございます!そしてレスありがとうございます!お餅つきですね!頑張ります!! (2019年1月2日 12時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
嘘月(プロフ) - 桜花さん» あけましておめでとうございます!!ネタ、なのですが、餅つき、とかいかがでしょう? (2019年1月2日 12時) (レス) id: 330b7fd244 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん!お友達申請まで…!!本当にありがとうございます!それと、もしよろしければ、ストーリーのリクエストをいただけませんか?よろしければなので、もし無くても気にしないでください! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2018年11月3日 20時