日向正宗と双子の物語。弐

初めての感情。 ページ18

九鬼side
なによなによ…！！いつもだったらお揃いって喜んでくれるのに！！私は似合ってるねって言ってほしかっただけなのに…！！

本当に？

私のこの怒りは正しいの？自分の気持ちばかり、押し付けてない？

私は…どうしたい？日向を怒らせちゃったよ、大好きな家族を、いつも優しく、笑顔の絶えない日向を…

そう思うと、私は急に喉が締め付けられ、胸が苦しくなるような感覚に陥った。

「どうしよう、私、日向に嫌われちゃうよ。嫌だよ…ごめんね、日向…。｣

「みつけました！もーう！さがしましたよ！くきさん！｣

「本当に、探した…。｣

「今剣君！それに小夜君も！｣

「くきさんはすなおじゃないですね！｣

「…すごく意地っ張り。｣

私が、意地っ張り…？

私と今剣君、小夜君は縁側に腰を下ろして話していた。

「ひゅうがさんはくきさんがだいじなんです！ぼくにとっていわとおしのように！｣

「日向さんは…貴女が此処に来ること、独りで、ずっと待ってた。だからこそ、貴女のことを失わぬように、誰にも復讐の刃を向けることのないように、貴女を守ろうと、必死に戦ってる。心配してる。僕にとって、宗三兄様、江雪兄様のように。｣

日向…私のために言っててくれたのに。

私、妹失格だわ。なにが九鬼正宗よ…！！

お兄ちゃんにとって誇らしく自慢できる妹になるって決めたじゃない！

「ありがとう二人とも！私行ってくる！｣

「がんばってくださーい！｣

「…頑張って。｣

二人に大きく手を振りながら、九鬼正宗は刀派「正宗｣の部屋へと急いだ。

仲直り。→←初めての喧嘩。

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