愛し愛され。2【Fischer's】

ふてくされ　masai ページ10

masai side







「…なぁ。」


「なに。」


「まだふてくされてんの？」


「別にふてくされてないし。」


「いや、明らかにふてくされてるだろ。」


「違うってば。勝手に決めつけないで。」


「…はいはい。」


これ以上言い返しても収集つかなくなるからここは折れるとしよう。


そんな、Aの楽しみにしてたプリン食べちゃった俺も悪いけどさ。


何もそこまでふてくされなくてもいいだろ。


はぁー。こりゃ、同じの買ってきた方が早いな。


俺はその場を立ち上がり、Aに黙ってコンビニへ向かった。







A side



わかってる。わかってるけど。


一回ふてくされちゃったらそんなすぐに元に戻れない。


プライドってやつだ。


あーあ。マサイ怒っちゃったよね。


黙ってどっか行っちゃったもん。


しばらくするとドアの開く音がした。


マサイが帰ってきたっていうのはわかったけど、行きと違うのは手に袋を持ってるってこと。


その袋の中からはマサイに食べられた、私がずっと食べようとしてたプリンが出てきた。


「…プリン食べてごめんな。買ってきたから怒るなよ…」


なんかすごくしゅん…ってなってて可愛い。


「…ありがとう。私もごめんね。」


「おう。…よっし。じゃあ俺は買ってきたシュークリームを食べるとするか。」


「えっ！？ずるい！一口ちょーだい！」


「はいはい。どーぞ。」


そういいながら優しく微笑んだマサイはやっぱり優しい。

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