Love Mixture 4

＊ ページ23

＊









「あ、渡辺だ」









なかなか空いてない座席を何周かぐるぐるした後、

止まった花純が指差す先のあの塩顔のイケメンは、

花純の高校時代からのお友達。

いわゆる“パリピ”の渡辺くんは、

大学でもなかなかに名の知れたモテ男で、

経済学部のミスターコン代表とかになっていて、

「調子乗ってる」って花純の苦笑いが懐かしい。









...え、経済学部の人って、

4年生ってあんまり授業なくない？









「渡辺、全然単位足りてなくて留年かかってんの」

『...やっぱり？』

「聞くところによると就活もしてないっぽいし、

完全にもう1年遊ぶ気だよあれ」









そんな渡辺くんが座るのは6人掛けの丸テーブル。

あと2人、渡辺くんのお友達らしき人がいて、

3席空いているから、

そこに相席させてもらおうという算段らしい。

渡辺くんはちょっと怖いけど...、

せっかくのカツカレーが冷めちゃう前に、

早く席に座っちゃいたいのは本心で。

つかつか歩いて「渡辺！」って声をかける、

花純の後ろからひょいっと彼の表情を覗き見た。









「あれ花純じゃん、久々じゃない？」

「ここ空いてる？今日席なくって」

「うん、空いてるよ。もう1人来るかもだけど」

「2人だから大丈夫。Aこっち座りな、」

『うん、ありがと、...お邪魔します』









渡辺くんの隣に腰掛けた花純の隣に腰掛けて、

会釈したら、愛想の良さそうなへらっとした顔。

何ともしてやられそうで、ちょっと苦手。









そんな彼が「あ、俺の友達。」って、

くいって顎で指した先の2人は、

渡辺くんの隣の子が確かジェシーくんで、

その隣が岩本くん、2人とも経済学部だっけ？

...類は友を呼ぶ、みんなモテると有名な。

「花純ちゃん久しぶりじゃーん！」って、

あれ、ジェシーくんと花純って面識あったんだ。









＊

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す