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36話 ページ10

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こんにちは皆さん、私は今大変困っております



船に、カラスが落ちてきました



しかも怪我してる



『治癒魔法苦手って言ってんじゃん』



とか言いつつも杖を出しちゃう辺り私はお人好しである



治癒魔法をかけて、ベッドにタオルを敷いて寝かせる



『ったく、疲れた…』



部屋は、最初は殺風景だったけど、大分家具を買ったからそれらしくなった



ベッドの横に椅子を持ってきて座る



…こいつでかくね?



カラスってこんなに大きかったっけ



とか考えているとそいつが目を開いた



『大丈夫?ご飯持ってくるからちょっと待ってて』



まだ動けないでしょ、と言って部屋を出て台所へ向かう



ちなみにキッチンと部屋、それにお風呂もあるこの船



1人だと大きく感じる



適当に肉を持って部屋に戻る



『ただい、、ま…』



そこに居たのは黒髪金目の青年



いや、カラスは?



『…誰』



「ぇあっ…と、クロカと、申します…」



『…さっきのカラス?』



「そ、うです…」



その怯えた目は、何なの



『ご飯作ってくる、待ってて』



いくら私でも、流石に人間に生肉はやれない



同じ道を歩いて適当に作った飯を持って部屋へ行く



『ほら、どーぞ』



目を見開いて、飯と私の顔を交互に見るクロカ



『毒なんか入れてないよ』



「い、ただき、ます…」



挙動不審だな、と思いつつもお盆ごと渡して、作った温かめのスープを口にするのを見る



含んだ瞬間、表情が少しだけ柔らかくなったのを見て、嬉しくなった



結局全部食べ切ったみたいで、取り敢えずよかった



『んで?何で落ちてきたの』



「ぇっ…と、僕、悪魔の実の能力者、で…」



『トリトリの実?』



「はぃ…モデル夜叉鴉…で、逃げてきて…」



『…何から?』



「天、竜人…です…」



マリージョアから遥々飛んできたってわけか



幻獣種ならそりゃあ、うん



『どれーだったってこと?』



「は、ぃ…」



肩を震わせつつもちゃんと答えてくれるんだもんね



『ふーん、行く宛も無く飛んでて、力尽きて落ちたんだ』



なるほど、と納得する



それで怯えた目だったし、飯を与えられる事に驚いたってわけだ



『ねぇ、クロカ』



「はい…」



『あんたさ、何か出来ることないの?』



「家事、とか…戦闘も、少し…」



『医学は?』



「そ、れも…少しなら…」



ふーん、と呟いて名前を呼び、目を見つめる



『ここに居なよ』



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作者名: x他2人 | 作者ホームページ:http://Nano  
作成日時:2017年11月14日 1時

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