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70話 ページ45

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ノックをして声をかける



『Aです』



入れという声が聞こえて、ドアを開けた



この行為もそこそこ慣れた



「どうした?」



『昨日纏めた私の情報の提出に来ました』



結局物凄い量になったファイルを見せれば、一瞬だけ驚いたような顔を見せた



「失礼致します」



そう言ってクロカが出ていってからもう1度ドラゴンさんに向かい合う



『義兄妹弟が、居るんです』



「…そうか」



『ある日海に出ようとして天竜人に撃たれた兄と、今は海賊をしているもう1人の兄

貴方のお子さんが弟と妹に』



また一瞬だけ目を見開いて、私を見据える



『死んだと思ってた兄の名はサボ。本人、なんでしょう?』



「ゴア王国で、天竜人に撃たれた少年を拾った。それがサボだ」



あぁ、やっぱり本人だ



『生きてた…良かったァ…』



ズルズルとしゃがみこんでドラゴンさんにお礼を言うと、また驚かれた



『サボ君は、あのまま彼処に居たら籠の中の鳥だった
だから、連れ出してくれてありがとう

彼の命を救ってくれてありがとう』



ドラゴンさんは、薄く笑って



「俺の意志で行動した迄だ」



と言ってくれた



礼をして部屋を出て、待っていたクロカと一緒に部屋へ戻る



隣の部屋だからね



机に山積みになってる書類を見て、1つ溜息をつくと、それに手をつけた



経費の計算に、任務の報告書

流石に行ってない任務の報告書は作成できないからそれは放置だけど



あとは資料を見ながら纏めたらいいものだけ、という所で誰かが入ってきた



「あれ、A?」



『うん、A』



私が机に向かっているのを不思議に思ってかサボは近づいてきて驚いた顔をした



「これやってくれたのか?」



『任務の報告書は自分で作成してね。私資料室行ってくる』



昨日のうちにバルディゴ内は案内してもらったから場所は分かる



「おお、流石だな。ありがとう、助かった!」



『…ん』



書類を手に持って部屋を出て資料室に向かう



「Aさん、だっけ?」



あぁ、出た



「この書類も任せていいかしら?」



『かして』



こーゆー陰湿ないじめの被害に合いそうとは思ったけど



初日からとか終わってんな



パラパラと捲って、任務の報告書だけ抜き取って返す



『それは自分でやって下さい、じゃ』



こーゆーのは受け入れてさっさと去るに限る



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作者名: x他2人 | 作者ホームページ:http://Nano  
作成日時:2017年11月14日 1時

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