居心地のいい場所とは (ページ43)

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相葉side(過去)

「今度の参観日には、お父さんについて作文を読んでもらいまーす！！」

小学3年生のときこんな宿題を出された
立派なお父さんを幼い子どもが紹介する心温まる宿題

えーっ！やだよーって言いながら楽しそうに騒ぐみんな……でも俺は声も出ないほどその作文を書くのが嫌だった。

家に帰ってマスの外に落書きが描いてあるだけの原稿用紙とにらめっこする
授業で書ききれなかったから持って帰ってきたんだ

今思うと、放り出さず頑張って考えていた俺はどこかでまだお父さんが好きだったのかもしれない。

お父さんは優しかった。
幼い頃のかすかな記憶。遊園地に連れて行ってくれて元気すぎる俺と一緒になって騒いでくれた。
自転車の乗り方を教えてくれた。
転んでも大丈夫だって、泣くなってキラッキラの笑顔で慰めてくれた。
乗れるようになったときは大きな手でぐしゃぐしゃっと頭をなでてくれた。

そんなお父さんが俺は好きだったのに、いつからか笑わなくなった。遊ぼって誘っても素っ気なく断られた。
休みの日もどこにも連れて行ってくれなくなった。
家にいる日が少なくなった

「ねぇ、お父さんが遊んでくれないよ」

耐えかねて俺はお母さんに相談した