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「ただいま。」




「おかえりー!!」




「もう佐久間ここに住んだら?」




呆れたように俺を見て苦笑いを浮かべるのは、康二と同室の照で
ランニングしてきたのであろう汗だくの姿で
持っていたペットボトル飲料を全部飲み干した。




「先風呂入るわ。」




「沸かしといたで!」




「ありがと、」





汗をタオルで拭いながらお風呂場に行った照を見送ると
再び康二との会話に花を咲かせる。
年齢は違うけれど同じ目標を持った人が集まっているこの場所は
社会人をしていたころより何倍も有意義な時間を過ごせている。




「実習病棟わかったらすぐ来いや
 ある程度なら要注意人物とか教えられるから。」





「助かる!」





今の時代、SNSで簡単に実習の現状がわかってしまう。
勿論いいエピソードも見かけるけれど
それを上回る衝撃的な辛い経験談に、何度息を飲んだことか。

でもそれを職にするわけなのだから
弱音なんて吐いてられない。





「まあ佐久間くんは戴帽式の心配した方がええな。」





「康二までそんなこと言って…」





「意外とあれ、緊張するんよ?
 実技試験なんてぶっちゃけ試験官の先生によっては
 …まあ神崎先生が担当やったら大当たりやな。
 あの人、ホンマに看護師やったんかってぐらいほわほわしてて優しいし。」






Aちゃん、もとい神崎先生は
俺より年下だけれど学生想いのしっかりとした人で
教え方も上手くて、唯一寝ずに講義を受けられる先生だ。




「Aちゃんがいいなぁ。」




「俺らの学科でも人気やで
 優しいし教え方わかりやすいし…可愛いし!」




「白衣の天使って感じだよね」





まさに思い描いていた看護師像というか
ひっそりと目標にしている人でもある。





「だから先生やってんじゃないの。」






そんな俺らの会話に入ってきたのは
風呂から上がってきたばかりの照で
タオルで頭を拭きながら康二の隣に腰かけると
テーブルの上に置いてあったチョコをひとつ口の中に入れた。




「どういう事?」




「優しすぎる人って、早くに辞めちゃうからさ。」





「現場経験ある人が言うと説得力あんね。」






照は准看の資格でしばらく病棟勤務をした後
職場の制度を使ってこの大学に入学し、看護資格を習得しに来ている。
何となく納得してしまうその言葉に頷いてみると、食堂が開く時間になり
ラウールも誘って四人で集まると、夕食を食べに一階へ向かった。

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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!読んでくださって嬉しいです!ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇‍♀️ (2022年10月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、! (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして!コメントありがとうございます🙇‍♀️そう言っていただけて嬉しいです!最後まで頑張ります! (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります!どうなっていくのか楽しみにしてます! (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2022年9月23日 18時

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