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「レポートもよく書けてるし
主任からも優秀だって聞いてただけあると思う。」
構えていた言葉とは違うものが返ってきて
頭の中にはハテナマークが浮かんだ。
でもすぐに目黒さんは口を開き
俺はその言葉に唖然とした。
「でも、君が今まで見てきたのは牧野さんじゃないよね。」
どういう意味かさっぱり分からないし
視界の端にいるグループメンバー達も首を傾げている。
必死に頭をフル回転させるけれど
目黒さんが何を伝えたいのか意図が見えてこない。
「佐久間くんは牧野さんの疾患しか見てないよね。」
「えっと、」
「事前学習からも目標からも
君の提出物からは牧野さんの事が全く見えてこない。」
頭の中が真っ白になるってこういう事なんだ。
目黒さんからの指摘に何も言い返せない
それは言われた通り、牧野さんの疾患ばかりが頭にあったからだ。
「ケアプランをたてるにあたって一番大事なことは
その人に合わせた計画を作成すること
個別性を大事にすることだよね。」
「…はい。」
「ケアプランも軽く見せてもらったけど
統合失調症の症状に合わせた注意点はよく書けてるけど
牧野さんの特徴や人柄から来る注意点は何も書かれてない。」
言葉一つ一つが胸に突き刺さって
しかもその言葉はどれも頷けるもので
自分の中で徐々に積み上げられてきていた自信が
音を立てて崩れ去っていくのがわかる。
「もう実習も折り返し地点で
それなりに信頼関係も気づけてなきゃおかしいけど
今まで牧野さんの何を見てきたの？」
「…。」
「統合失調症の患者ではなく
牧野五郎さんとして接したこと、ある？」
完全に崩れ去った自信は跡形もなくなって
何も返事が返せない俺に
目黒さんの大きな溜息が降りかかってきた。
「…一度よく考えなおして、まだ時間はあるから
今日のケアは承諾できない。」
弱々しく返事を返すと
丸椅子から立ち上がりバイタルサインの準備を始めた。
初めて実習での壁にぶち当たった
しかも全く自覚のなかったことで指摘を受けた。
そこから牧野さんの事を直視できなくて
いつもの笑顔が浮かべられなくなった。
「今日は元気ないの？」
「え？」
「いつもお世話してもらってごめんね。」
ついには牧野さんに気を遣わせてしまって
俺はへたっぴな笑顔を浮かべつつ、
Aちゃんからの忠告も忘れて
つい癖で、首を傾げてしまった。
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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！読んでくださって嬉しいです！ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇♀️ (2022年10月21日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、！ (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして！コメントありがとうございます🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです！最後まで頑張ります！ (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります！どうなっていくのか楽しみにしてます！ (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年9月23日 18時
