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神社に到着して境内に入ると
手水舎で手をすすぎ拝殿の前で足を止めた。
神社に訪れるたび思い出すのは学生時代の事で
もうぼやけ始めている思い出の中にいる彼は
再会したあの時とは違う、優しい瞳で私を見つめていた。
“神社はお願いするところじゃなくて
決断を宣言する場所なんだよ。”
“国家資格受かりますようにってお願いするところだった。”
“看護師になります！って宣言しなきゃ。”
“だな…それによくよく考えると
神様に頼まなくったって、俺らは絶対看護師になれるよな。”
脳中で流れる懐かしい記憶は
自分のせいで辛い過去になってしまった。
頭を振ってすべてをリセットすると
お賽銭を投げ入れて実習を無事に終わらせると心の中で宣言した。
「帰ろう。」
あの日から蓮、目黒さんとはたびたび鉢合わせるけれど
私が逃げるようにその場から立ち去るから
特に会話を交わすこともなく実習期間を過ごせている。
阿部先輩はたまに話しかけてくるけれど
そのたびに目黒さんが冷たい視線を浴びせてくるから
短めに会話を切り上げたりしていた。
学生たちの大事な実習に私情を挟むなんて
誰がどう見ても教員失格だ。
「よ、A。」
「もしかして私にGPSでもつけてます？」
「そこまでキモかねえよ。」
神社を後にして駅までゆっくりと歩いていると肩を叩かれ
振り返ると私服姿の渡辺先生が立っていた。
何処まで神出鬼没なんだと思いつつも
内心一人でいるとメンタルが落ちてしまいそうだったから嬉しかった。
「他の教員からAが向井康二の様子見に行ったって聞いてさ。」
「そういうことですか、
本当は行くつもりだったんですけど
佐久間くんもそのつもりだったらしくて
教員よりも友人と話した方がいいと判断しました。」
「まあその方がいいわな。」
渡辺先生はいつも、私の行動を肯定してくれる。
自己肯定感が低い私には重要な存在で
不器用な優しさがひしひしと伝わってきた。
「一学科の実習も残り半分だし
二学科の方はがっつり担当してるわけじゃないんだろ？
全部終わったら飯でも行こう。」
「…もしかして渡辺先生って私以外に知り合いいないんですか？」
「ば、はぁ！？」
さっきまでの重苦しい雰囲気は消えて
何だか久しぶりに笑みを浮かべた気がする。
薄暗い空の歩く駅までの道は
丁度いい気分転換になった。
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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！読んでくださって嬉しいです！ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇♀️ (2022年10月21日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、！ (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして！コメントありがとうございます🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです！最後まで頑張ります！ (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります！どうなっていくのか楽しみにしてます！ (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年9月23日 18時
