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＿Meguro side＿
「次は○○大学から実習生が来ますので
皆さん気にかけてあげてくださいね。」
師長の言葉でカレンダーに目を向けると
でかでかと書かれた臨地実習という文字が見えて
どっと肩が重くなり溜息をついた。
「めめ、顔に出てるよ。」
いつだって爽やかな笑顔を絶やさないのは
この病棟に移動してくる前からの付き合いである阿部ちゃんで
学生時代の先輩でもあり、尊敬する上司の一人だ。
「人手不足で病床は常に満員、こんな状況の中で
笑顔で学生さん迎えましょうって」
「学生さんには関係のない話でしょ？
その人手不足を解消するためにも
看護師の卵を大事に育てるのだって、俺らの大事な使命だよ。」
阿部ちゃんのように考えることができない俺は
メンタル的にはこの仕事に向いていると思う。
優しすぎる人が痛い目を見る職場だ
その中でここまで生き残っている阿部ちゃんも
案外鋼のメンタルを持っている人だと思う。
「まあ実習担当じゃないし
聞かれることだって物品の位置とか器具の使い方ぐらいだよ。」
「つい最近終わった三年生の実習見て、そう思う？」
なんて問いかけをすると
阿部ちゃんは苦笑いを浮かべて言葉を濁した。
実習担当になる看護師には条件があるし
指導するための研修を受けてからじゃないとなれない。
それなのに、人手不足にプラスして担当看護師の休みが重なり
研修も何も受けていない、看護師歴わずか三年の俺が
丸一日学生たちを指導する羽目になった。
「あれ、本当は絶対駄目なやつだよね。」
「人手不足だから…」
このありえない事態には、
流石に阿部ちゃんの笑顔も崩れた。
看護学校が大量に設立されて
排出される人材も多くなったはずなのに
辞める人も比例して多くなっているような気がするし
離職率が解消されないと意味がない。
「今回も確実に同じことさせられるよ
指導担当、この病棟で一番忙しい主任だから。」
「まあ…ね」
精神科はある意味、毎日が死と隣り合わせだ。
どれだけ対策をしてもそれをかいくぐって
体を傷つけたり、自ら命を絶とうとする。
そんな中で重要となってくるのは
薬を用いた治療や面談、各種の心理療法だ。
「学生さんたちが患者さんにとっていい刺激になればいいね。」
「逆に作用しないことを祈るよ。」
阿部ちゃんの言葉に屁理屈で返すと
必要物品をワゴンに乗せ、バイタルサイン測定へ向かった。
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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！読んでくださって嬉しいです！ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇♀️ (2022年10月21日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、！ (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして！コメントありがとうございます🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです！最後まで頑張ります！ (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります！どうなっていくのか楽しみにしてます！ (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年9月23日 18時
