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_you side_




「あの、神崎先生?」




「話…聞いてもらえなかった…。」




嵐のように去って行った佐久間くんの背中を見つめながら
痛む額を押さえて涙をぐっとこらえる。
馬鹿力…と言ったら失礼だけれど
まさか開いた扉にぶつかっただけで跳ね飛ばされるとは思わなかった。




「おでこ赤いですけど…」




「佐久間くんが開けた扉に跳ね飛ばされちゃって
 ねえ本当にたんこぶで来てないか…いった、」




岩本くんに事情を説明したはいいものの
跳ね飛ばされた時、壁に思い切り背中をぶつけたからか
今になって全身に痛みが走る。




踏んだり蹴ったりとはまさにこのことだ
とにかく、全く関係のない岩本くんに迷惑をかけるのはよくないし
尋ね人が出て行ってしまったのだから今日は帰ろう。




「おでこから血出てますけど…」




「えっ!?」




額を押さえていた掌を見ると
少しだけ血が付着していて気が遠のきそうになる。
よりにもよって見える所に傷ができるなんて
こんなところに絆創膏でも貼ろうものなら、絶対にお局教員が突っ込んでくる。




「救急持ってきます。」




「ああいや、これぐらい自分でやるし」




「部屋…は同居人がいないんで勝手に入れられないですけど
 すぐ用意するんでここで待っててください。」




「ホントに、本当に大丈夫だから!」




心配してくれる岩本くんにお礼を伝えると
駆け足で男子寮を後にした。
とにかく一度大学に戻って適当に処置をしよう
お局教員にどうか見つかりませんように。




「よ、A」




「…二番目に面倒な人に見つかった」




どうしてあれは私の行く先々に出現するのか
振り返るとそこにいたのは案の定渡辺先生で
いつもの様に何故かニヤついた顔で近づいてきたかと思えば
私の額を見て表情がどんどん険しくなっていった。




「どうやって転んだらそんなとこ怪我すんだよ。」





「なんで転んだ前提なんですか!
 …佐久間くん訪ねて男子寮に行ったんです。
 そしたら勢いよく飛び出してきて
 扉に跳ね飛ばされて負傷したんです。」




思い出したら痛みが増してきた気がして
渡辺先生を放置し大学へ足を進めると
額を押さえていないほうの手を掴まれて立ち止まった。




「何でしょうか。」




「行くぞ。」




「はい?」




手を握られたまま、無言で歩き出す渡辺先生に
何処へ行くのかもわからないままついて行くと
大学内の医務室に辿り着いて、中に入るよう促された。

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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!読んでくださって嬉しいです!ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇‍♀️ (2022年10月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、! (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして!コメントありがとうございます🙇‍♀️そう言っていただけて嬉しいです!最後まで頑張ります! (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります!どうなっていくのか楽しみにしてます! (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2022年9月23日 18時

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