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“あ、Aちゃん大丈夫！？
ちゃんと寝てる？
水分とか…また入院になったら、”
「大丈夫だよ、もう。」
“よかった〜！
ごめんね、連絡してから行けばよかった。”
電話口から聞こえてくる声で
唇を尖らせて落ち込んでいるんだろうと安易に想像できて
つい吹き出してしまうと
佐久間はつられたように笑い出した。
「…佐久間、」
“どうしたの？”
「どうしたら佐久間みたいに強くなれる？」
自分でも何を言っているんだろうと思う、
私が知らないだけで、弱い部分はあるかもしれないのに
決めつけられることがどれだけ悔しいことか
人一倍わかっているはずなのに。
「ごめん、決めつけて
本当に…ごめん」
“素直に謝ることを行動に移せるのは
Aちゃんのいいところであり強さだと思うよ。”
「強い…？」
“人は強くもなれるし弱くもなっちゃうんだよ。
俺だって怯んじゃったり逃げることはある
でもAちゃんを思い浮かべると
無敵なんじゃないかって思えるぐらい強くなれるんだ。”
佐久間の優しい声が心を落ち着かせてくれる。
いつもの元気な張った声ではなくて
寄り添うような、包み込むような
朗らかな気持ちにさせる柔らかい声だ。
「私も強くなれる？」
“きっとなれるよ、
…でも佐久間さんは今のままでもいいと思うな。”
「へ？」
“明るく前向きになってほしい気持ちもあるよ？
でも、無理して変える必要はないと思う
急がなくてもいいからゆっくり一緒に進んでいこう
頑張らなくてもいいんだよ。”
今日はもう寝ようと言われ電話を切ると
また頭の中が佐久間でいっぱいになっていることに気づいた。
ベッドから起き上がってファイルを取り出すと
私が表彰台で笑顔を見せている新聞記事の写真を指でなぞった。
“Aはいつもキラキラしてるね
羨ましいよ、凄く。”
またあの日の彼が私を見て微笑む。
もう三年も前の事なのに
いつまで私は時の流れに逆らうつもりなんだろう。
息をするのもやっとなほど、ボロボロなのに。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
