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_you side_



久しぶりに、あの夢を見なかった。
今日も起きてしまったなんて感情も湧き起らなくて
照り付ける朝日が、暑いはずなのに心をスッキリさせた。



退院して家に戻ってくると
涼太は泣きそうな顔で部屋にこもった。
両親は普段から多忙なこともあり
家族の誰とも顔を見合わせない今の環境は
正直言って楽だった。



「今日…。」



退院するとき佐久間が迎えに来てくれて
普段通り話しながらも、あの告白が頭から離れず
無駄に緊張しながら車椅子に身を任せていると
土曜日は必ず予定を空けておいてくれと言われた。



「あ、Aちゃんおはよー!」



「早い。」



時刻はまだ朝の八時で、
大学の通信授業がない日は昼過ぎまで寝ていることもある私は
迎えに来た佐久間の前にパジャマ姿で顔を出した。



「クマのパジャマなんて可愛いね!
 てかすっぴん?!
 幼くなってて可愛い!」



「…やっぱり今日行くの止める。」



「なんで!!」



とは言いつつ自室に戻って準備を始める。
何処に行くかは分からないけど
出来るだけシンプルな服装にナチュラルな化粧を施した。


ゆっくり玄関へ向かい外出用の車椅子を準備しようとした時
扉の前で待っていた佐久間に止められて
小さく首を傾げると体を持ち上げられた。



「なにすんのっ、」



「車に乗るからさ、
 車椅子は畳んだまま積むからちょっと我慢して!」



「い、いい!
 支えてくれたら歩けるから!」



「そうなの?!
 じゃあ俺どうやって支えればいいかな?」



恥ずかしくてつい歩けると言ったけど
いざ足を動かそうとすると、佐久間に見られていることもあって
中々一歩を踏み出すことができない。



「いやだったら言ってね。」



佐久間にそう言われて顔を上げると
ピッタリとくっつくように隣に寄り添ってくれて
腰に手を回し、左手を優しく包み込んでくれた。



「ふふ、行こっか。」



「何その笑みは…、」



「いや、また新しいAちゃんが知れて
 嬉しいだけだよ。」




胸が締め付けられるように苦しくて
ただでさえ夏の暑さにクラクラしているのに
どんどん体温が上昇していくのが分かった。

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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました!!書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました!凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました!そう言っていただけて凄く嬉しいです! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます!楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました!受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2021年8月10日 19時

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