14 ページ14
いつもそうだ。
Aが俺に背を向けたがる時は好きな人が出来た時だった。
正確なことは知らないし、聞いたこともない。
だが、その違和感を感じた数日後には好きな子が出来ただとか、彼氏が出来たなどということを聞かされる。
「またか…」
Aは前から惚れっぽいやつだった。
少し口説けばほいほいついていってしまいそうなタイプだ。
携帯を開くと友達からの連絡が何件か入っていたが、開く気にもなれなかった。
「ちょっと、久しぶりだからメンタルくるなぁ。」
Aはすぐに他のところに行ってしまうことが多かったけど、結局俺との付き合いの中埋めみたいなもんだった。
いつもあっという間に戻ってきて、しょーたーっと泣きついてくる。
3度目に付き合い始める時もそうだった。
その頃の彼氏とは長く続いていたらしく、一定期間同じ名前を聞かされた覚えがある。
そんなある日、大雨が降りしきる中、びしょ濡れのAが家に帰ってきた。
「私、やっぱり翔太じゃなきゃダメなの…」
大粒の涙を流しながらそういうAの身体は震えていて、思わず抱きしめた。
部屋に入れ、お風呂に入らせ、話を聞いた。
「彼が、翔太と同居してること嫌だったみたいで、俺のところに来いって言ってくれたの。」
ブランケットを羽織りながらか細い声で話す。
「始めは彼との楽しい生活を想像してたんだけど、考えれば考えるほど、翔太が家にいないのが寂しくて辛くて…」
また涙を流す。
「で、その彼氏にはなんて言ったの。」
「今のことを正直に話したら、別れようって言われた。」
「今、Aはなんで泣いてるの?彼氏に振られたから?」
Aは少し悩むような仕草をする。
「翔太にっ、会いたくなって、彼の家でた時は傘も持ってたし、泣いてなかったけど、会いたくて、走ってたら傘置いてきちゃって、会いたい会いたいって思ってたらなんか家が近づいてくるのが嬉しくて…」
気がついたら抱きしめていた。
この時俺が気がついたことは、俺はきっと付き合ってる時も別れてる時も、他の女といる時も、Aのことが好きだって事だった。
205人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M(-_^)(プロフ) - るりさん» コメント嬉しいです!ありがとうございます!私も正直どうしよう…ってなってます笑雑にならないように話を集結させられるといいなと思ってます笑 (2016年1月21日 17時) (レス) id: 797071de89 (このIDを非表示/違反報告)
るり - すごく続きが気になります!渡辺くん大好きなのでくっついて欲しいけどももどかしい笑。 (2016年1月21日 1時) (レス) id: 8f50ccf5d4 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる*(プロフ) - すのの小説あまり無いのですごく嬉しいです!更新楽しみにしています!がんばってください( ´∪` ) (2016年1月4日 19時) (レス) id: dc5f2b8521 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:M(-_^) | 作成日時:2015年12月1日 2時