桜麗華学院の〈桜国〉

14話 ページ40

敗者復活戦は敗北者全員で行われた。

時間の都合上、どんなゲームだったかは伝えられないわ。残念だけれど、つまらない試合だったし。

敗者復活戦の勝者は、北桜 真理子だった。


しぶとく生き残ると思われた月雪 姫香はこの第二ゲームで呆気なく散ってしまった。

それでも東雲といつまでも引っ付いている姿は、
とてもみすぼらしかった。


「がははっ、勝ち上がったぜ智子ォ」

「あぁはい、そうですか……」

ニコニコと笑う彼女の顔の裏を見抜けなかった者。それこそが敗者なのかもしれないわね。

「今から第三ゲームに進める人の名前を呼ぶわ。名前が呼ばれなかった人は即刻退場しなさい」

勝ったのは、

赤井、新垣、北桜姉妹、そして花蝶だ。


「さあ、残りの人は退場願うわ」

後ろを向き、次のゲームのルールを書いていると、背中に激痛が走った。「ゔっ」と声が漏れる。

「ふざけんなよ！私は頑張ってここまで来たのに！」

「な、中田さんじゃない。私にこんな事をして良いと思ってるのかしら？後ろを見てご覧なさい」

「うるせぇ！お前をぶっ殺す！！」

首を絞められる。
周りが見えていない愚かな中田。可哀相ね。

「騎士の冷泉 大輔だ。
中田さん、女王になんて事を……！」

私の首を絞めるその手を強い力で振り払う。
そして、中田の事を強く睨みつけた。


「敗者は敗者なんだ。一人で突っ走って敗者復活戦で最初に負けたのもお前じゃないか。去れ」

「イヤよ」

「去れ」

「イヤよ、私こんなので終われないもの」

「去れ！！お前の会社まで潰されたいのか。知ってるぞ、お前の会社はコスメブランド取扱店だってな」

──つまりどう言う事か、分かるか？

「……そ、そんな」

「だったら去れ。ここはお前のいるべき所じゃなくなったんだ。出ていけ！！」


寂しい背中を向けて帰る中田。

「なんかごめんなさい、大輔……」

あんなに怒っている彼は見た事が無かった。私の前では彼、いつも笑っていたから。

「──ありがとう」

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