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11話 ページ14

姫香が桜国に入ってから、学院はめちゃくちゃになったと言っても過言では無い。

少しでも彼女の事を褒めなければ、即退学となる。おかげで学院中の空気は張り詰めていた。

特に門番の翔太なんて、いつ自分が退学になるかを恐れて部屋から出て来なくなってしまった。

……女王裁判、楽しみねぇ。


「あたしの命令を聞いてくれないかしらぁ?」

甘ったるい声であたしはAランクの鈴野 舞香ちゃんに話しかけているわぁ♪

「な、何でしょうか、侍女の姫香様……っ」

「ノート、見せてよっ。宿題やってくるの忘れちゃってさぁ。まあ桜国の人だから忘れてもいーんだけど」

髪をくるくる回していると、舞香ちゃんは震える手でノートをあたしに渡した。

「ふーん……面白いね!『先生マジなんなの?』だって。超ウケるぅ!他には他にはぁ?」

散々に煽る。あー、楽しい♪
このままあたしは女王になって、学院を支配する──


とってもいいストーリーじゃなぁい?
あたしは正義、そして瑠華は悪魔。悪者なの!

ノートで自分の顔を隠しながら、あたしは嗤う。いつまでも、いつまでも、嗤っていた。

瑠華の絶望に震える顔を、想像しながら。

「おい、姫香──何やってるんだ」

聞き慣れた声。貴方は大輔ね?
くるっと振り向き、練習した笑みで話す。

「何も?ねえねえ、そ〜言えばこのノート、先生への悪口ばっかりぃ!悪い人だと思わないー?」

「ああ。そうかもしれないな。しかし、俺もノートにかなりの悪口を書いているぞ」

「マジィ?桜国の人だから許されるもんねー。誰センセーの悪口書いてるのぉ?織田センセ?」


あたしはノートを放り投げ、大輔の腕にしがみつく。暖かくて、心地いい……っ!

「よく分かったな、姫香、お前すげーな」

「え?そお?ありがとっ」

周りに花が咲くような笑みを向ければ、大輔は少し顔を赤くしていた。


え───?

まさか、こんなに話が上手く行くの?

今、大輔は顔を赤くしていた。



そっか。

騎士は、女王様に飽きちゃったんだね。

溢れる笑みを抑えながら、あたしは大輔と別れた。

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水彩さん(プロフ) - 新垣好き。顔面も性格もめっちゃくちゃ好み。白髪に赤い目はマジで最強だと思う。無気力に目を細めてるの可愛い。 (2023年2月5日 16時) (レス) id: 4cafde4cc5 (このIDを非表示/違反報告)
♡may♡ - 智子ちゃんなに考えてるか分からなくて怖い笑(でもそこが良い) 北桜姉妹好きだ〜〜 (2023年2月5日 12時) (レス) @page48 id: 36194cd75e (このIDを非表示/違反報告)
JJ(プロフ) - めっちゃ面白い!大好きな作品です みんなキャラが立ってるし、設定も凝ってて何度も読み返したくなります!主人公のカリスマ悪女っぷりが最高💖占ツクにこういうオリジナル作品もっと増えてほしい⋯⋯ 推しは瑠華様、美春さん、姫香ちゃんです! (2023年2月4日 17時) (レス) id: 4ba4d42a9b (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!! (2022年1月10日 13時) (レス) id: 7670bcb048 (このIDを非表示/違反報告)
ただの森(プロフ) - ららちゃんがすこ・・・((( (2019年3月22日 17時) (レス) id: e652f182c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるやん | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年2月24日 18時

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