腹黒彼氏の恋人疑惑は本当です Ⅰ (ページ32)

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「＿Aさんって何故ともさん選んだんですか？選り取り見取りだったでしょ？当時、今もですけど」

そう質問したのは誰だっただろう、みんなで雑談をしている最中に投げ掛けられたその質問に周りは静かになる、私の返答を待っているみたい

『んー‥長くなりますよ？』

「それでも聞きたいです!!」
「俺も聞いたことなかったから聞きたい」
『ふふ、気恥ずかしいけど言いますね＿』

恋愛と言うのに興味は無かった、だから例えお見合いを持ち掛けられようがデートに誘われようが基本断っていたりした、恋愛なんて誰かに一方的に振り回されるのは大嫌いの私には不向きでこれからもすることは無いって、そう考えていた矢先に出会ったのがともだった

好印象な男性だと思った、わざわざ走って私の忘れたスマホを届けに来てくれて、疲れてるのにそれを隠すように笑う、プレゼントを選んで欲しいと言われて二人で出掛けた時、彼は自分の用事で呼び出しているのにも関わらず私を沢山気遣った

その時、初めて一緒に居てて不快じゃないと思った、俳優の友人は居るけど仕事仲間ですし恋愛感情なんて持つ関係じゃない、だからプライベートで初めて出来た友人、話していくに連れて趣味が合ったり好きなものとか、ほんと疑問に思うほど共通点が多くて自然と彼のことを考えるようになった

『＿彼のことが頭から離れなくて傍に居たいと思い始めた、その矢先告白されて、胸が暖かくなって鼓動が激しくなって彼しか見れなくなったの、女優を辞めたのもそれが原因だったりするよ？彼以外の男性と抱き合ったりキスしたりするのが嫌になったんだ』

「そうだったんですね!!」
「いや～!!良い惚れ気話!!」
「初めて聞いたけど結構恥ずかしいや」
『それほど愛してるんだよ』

誰よりも愛してる、彼のこと以外愛せないと断言出来るほど愛していて傍に居たい、居て欲しいと思える、、机の上に乗せられた彼の手に自分の手を添えて微笑むと彼は嬉しそうに微笑んで私と手を繋ぐ

恋人繋ぎをしたその手は暖かかった

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