キラキラお目々な美少年に転生したよ【鬼滅の刃】

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獪岳は唯一じゃないとダメだから、俺には獪岳の幸せの箱の穴は塞げないかもしれない。
だけど、俺にとっては善逸と獪岳、どちらもかけがえのない人なんだ。嘘をつく事なんて出来なかった。

あぁ、でもこの答えで、獪岳の幸せの箱にもっと穴が開いてしまったら。そう考えると、涙が溢れて来た。


「？！何でいきなり泣いて…」

「俺、お師匠さまも獪岳も善逸もみんな好き。誰が1番なんて決められないよ。誰が1人でも欠けたら駄目なんだっ。みんなの事が大好きなんだよぉ！！」



悲しい。
寂しい。
この先獪岳は幸せの箱が埋まらないまま鬼になってしまうのかな。
俺では獪岳を救うことは出来ないのかな。

俺は彼に幸せになって欲しいのに。



「うわあぁぁぁん！！」



色んな考えがぐちゃぐちゃになって更に泣き出す俺に、獪岳は最初は驚いてたけど、その後は仕方がないなって顔をして俺の頭を撫でてくれた。




俺が泣き止むまで一緒にいてくれた獪岳。
気付けば夕方になっていて、帰るぞと言って木から降りた。


短い帰り道、どちらから言い出した訳ではなく手を繋いでいた俺たちだったが、ふと獪岳が立ち止まった。


「獪岳…？」

「お前が…」


横に立つ獪岳を見上げる。
その顔は夕陽に負けないくらい赤かった。



「お前が1番が決められねぇんなら、全員2番にしとけ…。そんでいつか俺が1番になってやるから、覚悟しとけよ」


「へっ？！」



驚いて何も言えなくなった俺に、ニマリと悪い笑顔で言う獪岳。混乱する頭の中、彼に手を引かれそのまま家に帰った。









(Aの1番は俺だもんね！！)

(うっせぇカス！話聞いてんじゃねぇよ！！)

(仲良くなったみたいじゃのう)

(お師匠さま現実を見て！仲良くはないと思うよ？！)








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