キラキラお目々な美少年に転生したよ【鬼滅の刃】

8.5-1 ページ32

前書き

今回は番外編になります。

いつも以上に駄文の為投稿するか迷ったのですが、もったいない精神に負けました。
読まなくても支障はないと思いますが、鬼と対峙した時の獪岳と、その後善逸が桑島さんに助けられた後を少しだけ書きました。Aくんはほぼ出てきません。

駄文でもOKよ！という心優しい方のみこのままお進みください。








嫌な気配がする。

物盗りの類いならまだマシだ。
武器がなくても人間相手に負ける気はしない。
ただこの醜悪な気配。これは…。


「…獪岳」


一緒に居たAが俺の名前を呼んだ。
分かってる。このくらい気付いてんだよ。

暗く見え辛いこの道の先に居るのは恐らく鬼だ。
風にのって血の臭いがしやがる。

どうする。
俺もAも日輪刀を持っていない。
鬼に対抗する手段が何もないんだ。
Aの力だって鬼相手に何処まで通用するか分からない。



逃げよう。

いや、逃げ切れない。
俺はともかくAはまだそこまで足が早くない。逃げる途中で捕まる可能性が高い。

それとも俺はAを囮に使おうとでも思ってるのか？
そうすれば俺は助かるだろう。先生は悲しむかもしれないが、ここで2人揃って死んでしまうよりマシな筈だ。


どうした獪岳。
お前はいつもそうやって生き延びてきたじゃないか。今回だって同じようにすれば良い。運が良ければAだってあの不思議な力を使って逃げ切る事が出来るかもしれないよ。
さっき運んだババアは食べられてしまうかもしれないけど、そんな事お前には関係ないだろう？

さぁ、逃げろ！



心の声が聞こえる。

そんな事分かってる。
どんなに罵られようが、生き残った奴が勝ちなんだ。
今までも、そしてこれからも、俺はそう生きていくしかないんだ。






(今逃げたら、俺が俺じゃあなくなってしまう気がする。守りたい人を守れなくなってしまう。共に歩めなくなってしまう。だから俺は逃げないよ)





Aの言葉が不意に頭を過った。



ここで逃げたら、Aを守れない。
共に歩めない。


…俺は、Aをなくしたくない。








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