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「貴方のおかげで、姉さんの命が助かりました。ありがとうございます」
蝶屋敷に着いて暫く待たされたあと、しのぶさんがやって来て俺に向かって頭を下げて来た。
そこで鬼という存在、それを倒す事を目的として作られた鬼殺隊という存在について説明を受けた。
「姉さんから貴方の話を聞きました。鬼と人との間に出来た子供。そして上弦の鬼とも戦える異能があるという事…間違いありませんか?」
「先程の鬼との戦いは、相手が手を抜いて遊ばれていた様なものです。俺の力は殆ど通用しませんでした。それ以外はお姉さんが話した内容に誤りはありません」
俺の言葉に、その場にいた他の隊士や隠にピリッとした殺気がはしる。
そりゃそうだろうな、目の前にいるガキの中には憎い鬼の血が流れているなんて聞いたら、この反応も仕方がない。
「胡蝶様、この子供は処分するべきだと思います!」
1人の隊士がそう叫ぶと、周りの人々もそれに続く様に訴える。
中には既に刀に手をかけている隊士もいるのだから、こちらとしては勘弁してほしい。
仕舞いには俺のこの容姿も人間を惑わせる為とまで言い始め出した。この顔は母さん譲りだよ!ふざけんな!!
「黙りなさい!!」
しのぶさんの声に、今までの騒ぎが嘘の様にシンと静まり返る。
「彼が上弦の鬼を退け、柱である姉さんを助けた事に違いはありません!それに彼をここに連れて来たのはあくまでも話を聞くためです。勝手な言動や行動は慎んで下さい!」
美人が怒ると怖いというのは正にこの事なのか、しのぶさんは周りにいた人たち全員を部屋から追い出してしまった。
「本当にごめんなさい。隊士の多くは鬼に強い恨みを持つ者ばかりだから…」
「いえ、仕方ない事だと思います。でも貴女は俺のことを憎くはないのですか?」
「鬼の事は憎いですが、貴方は姉さんを助けてくれた…。そんな人を憎いとは思えないわ」
漸く柔らかくなったしのぶさんの表情に、こちらも笑みを浮かべる。
お互い自己紹介がまだだった事に気付き、今更ながら簡単な自己紹介をする事になった。
「私は胡蝶しのぶ。貴方が助けてくれたのは私の姉の胡蝶カナエよ」
「俺の名前はAです。よろしくお願いします、しのぶさん」
先程までの殺伐とした空気が嘘の様に穏やかな雰囲気。
手を差し出して来たしのぶさんに、此方からも手を伸ばし握手を交わした。
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河岸エマ(プロフ) - 爽雫さん» うわあぁ私も大好きです!設定を上手く活かせてない気もしますが頑張ります!!モチベめっちゃ上がりました!ありがとうございます!! (2020年2月24日 14時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
爽雫 - 童磨の息子なんて神設定じゃないですか!?凄い続き楽しみです。更新頑張って下さい!応援しています!!だいすきです(*>∀<*) (2020年2月24日 14時) (レス) id: c8b0ff9423 (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - お虫さん» ありがとうございます!近々更新すると思うのでまたよろしくお願いします! (2020年2月23日 23時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
お虫 - 好きです!次の更新楽しみに待ってます! (2020年2月23日 7時) (レス) id: 2f9884d86e (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - アンちゃんさん» マジですか?!それは嬉しいです!pixivでもこちらでもよろしくお願いします!! (2020年2月15日 21時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:河岸エマ | 作成日時:2020年2月15日 16時