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「じゃあ、時間が余裕ってわけでもないからもう行きましょう」
再び足を早める美咲に心底感謝をしながら、Aも美咲に続いた。
因みに、ワンピースに着いていた値札は見ていないふりをした。
☆☆☆
19時ちょうど。
待ち合わせの場所、ベイサイドエリアのカフェで待っていたAは時間ぴったりに訪れた天を見つけ駆け寄った。
「ごめん、待たせた？」
「いや、私もちょっと前に来たばかりだよ」
「そう」
天の顔を見るとすぐに逸らされてしまい少し傷つくA。
しかし、その後の天の言葉でそれは全く気にならなくなった。
「……似合ってる」
少し頬を染めながら、天はそう言った。
Aは天のそんな様子にクスクスと笑った。
「ありがとう。天も、いつもと雰囲気違うんだね」
黒いズボンに白いシャツ、その上からベストを着てピンク色のスカーフを巻いている。
似合ってる、と告げるとAと同じように礼を言う天。
そのやりとりがなんとなくくすぐったかった。
「…行こうか、もうすぐ時間だ」
「時間？」
Aは聞き返す。ディナーのお店の時間だろうか。
しかし、Aの手を取って天が歩き出したのはお店が並ぶ方とは反対方向の港。
Aは天の意図が分からず首を傾げた。
「ここだよ」
「え」
目の前には小綺麗なクルーズ船。
予想外の場所にAは戸惑う。
「そろそろ出港だよ。乗って」
「ええ……？」
天に背を押され船に乗るA。
中はオレンジ色の光で照らされ幻想的な雰囲気だ。
「わ、綺麗」
乗客はまばらで、それぞれこの時間を満喫しているようだ。
これなら、いつもより気を張らなくても大丈夫かもしれない。
天と付き合っていることを必死に隠しているわけではない。
TRIGGERとDólceは勿論だが、IDOLISH7やRe:valeにもバレてしまっているし、天とAはファンに対して不誠実であることを最も嫌う。
いずれバレることではあるし社長にも報告済みなので、ファンに嘘を吐くくらいならバレた方が気持ち的にも楽だろうというのが2人の心境だった。
それでも、矛盾しているかもしれないができる限りファンは悲しませたくないし、それぞれに着いている熱狂的なファンが相手を傷つけないとも限らない。
だから、必要以上に隠すことはしなくても、なるべく人が少ない方がいいのだ。
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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» ありがとうございます〜！こちらはかなり不定期更新となってしまうと思いますが、本編共々よろしくお願い致します！ (2020年5月30日 6時) (
レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - 番外編…！ありがとうございます！！楽しみにしています！！ (2020年5月29日 23時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2020年5月28日 21時
