エスプレッシーヴォ 4【九条天】

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「…億宮さんは、どうして……？」

Re:valeとナギに取り残された壮五とA。壮五が疑問の声を上げた。

「私はなんか連れて来られた。……ごめんね………」

「いえ……」

心底申し訳なさそうに謝るAに、壮五はこの人も巻き込まれたのかと不憫に思う。

「それより服、大丈夫ですか…？」

「ああ……。ちょっと色々あってね」

壮五に言われて自分の服装を見直すA。
ブルーグレーのロングコートの下に白いセーター。黒のスキニーを履いているのだが、コートの裾は汚れで黒ずんでおり、セーターは乱れ、スキニーは膝の部分がすり減っている。

事情を説明しようかとも思ったが、中々恥ずかしいので黙っておくことにした。

「ごめんね。こんな格好で申し訳ないし私は帰るよ」

そう言って踵を返そうとするA。
壮五はそんな彼女を慌てて引き留めた。

「えっと…。よろしければ上がって行って下さい。顔色も良くないですし…」

低体温故に顔色が悪い。壮五はそんな彼女を心配していた。

「体温が低いだけだよ。気にしないで」

「それなら、温かいお茶をお出しします…！」

「えぇ……？」

ここまで言われて帰るのも申し訳ないし、Re:vale2人をそのまま置いていくのもどうなのだろうか。

「…じゃあ、お言葉に甘えて」

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