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「…つまり九条天とAは、血が繋がってないけど名目上は家族ってこと?」
「そういうこと」
Aが実緒の言葉を肯定すると実緒は深く息を吐いた。
「びっっっくりしたぁぁぁ……」
実緒の気の抜けた声にAはクスクスと笑った。
「ちなみに、それっていつの話?」
「私も天も、九条さんに引き取られたのは13歳の時かな」
「そりゃ仲良いよね」
「まあ5年も一緒に暮らしてればね」
Aの言葉に、実緒はそうか、一緒に暮らしているのかと実感する。
「一緒に、って2人で暮らしてるの?」
「うん。九条さんは海外にいることがほとんどだから」
「……それ、大丈夫なの?」
家族とはいえ、血の繋がらない年頃の男女だ。実緒はAの私生活を心底心配していた。
「うん。食事当番ちゃんと決めてるし基本的に仲良くやってけてるよ」
少しずれたAの答えに実緒は大丈夫かと疑ったが、その様子なら大丈夫なのだろう。
「でも、Aはゼロの演出家に目をつけられたってことでしょ?すごいよ」
「あはは、ありがとう」
それでね、とAは言葉を区切った。
「九条さんはゼロを超えるアイドルを生み出そうって考えてる。……私は、九条さんの望みを叶えたい。そして、できることならそれは実緒と一緒に叶えたい」
Aはまっすぐと実緒を見据えた。
「…一緒に、ゼロを超えたい」
Aの真剣な眼差しに、実緒は強く頷いた。
「いいよ、やろう!日本一にでも世界一にでもAとならなれる気がする!」
実緒の前向きな言葉にAは微笑んだ。
他の人が言うと絵空事のように感じてしまう言葉も、彼女が言うと本当にできる気がしてしまうのは何故だろうか。
「実緒、これからもよろしくね」
「こちらこそ!」
2人は、月光のもとで強く握手を交わした。
未来への希望を胸に抱いて。
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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» わー!!!ありがとうございます…!本当に悩んでいたのでありがたいです…!いつでもいくらでもリクエストお待ちしています〜!!本当にありがとうございます!! (2020年6月11日 1時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - またリクエスト失礼してもよろしいでしょうか...? 赤面 と いつもと違う髪型 をお願いしたいです、、ふたつも無理言ってすみません(汗) (2020年6月11日 1時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 夢巫女さん» わー!いつもありがとうございます!!迷走中ですが、これからも読んで下さると嬉しいです!!更新頑張ります! (2020年6月4日 10時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - こういう作品を待っていたっ!!最初の方から読んでいましたが、感謝を伝えたくて我慢できませんでした!これからも更新楽しみに待ってます! (2020年6月3日 22時) (レス) id: a86d07998f (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - ぽんさん» わあ…!ありがとうございます!!凄く嬉しいです!更新マイペースですがこれからもよろしくお願いします〜!! (2020年5月26日 18時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年5月5日 23時