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すると、二階堂大和からあー、という声が聞こえる。
「顔色が悪かった気がしたから大丈夫かって聞いてた」
それだけ、と言う彼の言葉の真偽を確かめようと彼女の顔を覗き込む。Aは何回か頷いた。
「…はあ、君たちプロでしょう?スキャンダルはご法度だよ」
「わかってる」
Aはそう言ってボクの身体を押して離す。その行動に少し傷つく。二階堂大和は良かったのに、ボクはダメなのだろうか。
「じゃあ、今お前がやってた行為はスキャンダルにならないって言ってるのか?」
二階堂大和の刺のある言い方と内容に顔を顰める。
「Aと君を離すためにしたことでしょう」
「別にあんな方法を取らなくてもできただろ。結局、お前も男なんだな」
「ちょっと、それどういう意味」
図星だった。彼と彼女があの距離で話していることにどうしようもなく苛立って、自分の感情のままに動いた。
そして、それを言い当てられたことが悔しかった。
こんなの、自分から彼女が好きだと言っているようなものじゃないか。
「…ねぇ」
二階堂大和と口論していると、彼ともAとも違う声が聞こえてそちらを向いた。
「別に2人の喧嘩に口出しするつもりはないけどさ、現場の空気悪くなるからやるなら他所でやってくれない?」
先程のニコニコ(ニヤニヤ、の方が表現としては正しいかもしれないが)とボクを揶揄っていた彼女はどこに行ったのか。
話すようになって間もないが彼女は基本的に明るい性格なのだろうとは思っていた。しかし、そんな彼女とはかけ離れた表情で、声色で兆野さんはボクたちにそう言った。
「…悪い」
「…ムキになったことは謝るよ」
そのボクの言葉が気に入らなかったのか二階堂大和は顔を顰めたが、特にそれを言葉にすることはなかった。
「次、Aと天くんだよ。早く行ったら?」
兆野さんからそう告げられ、歩き出す。
「A、早く行くよ」
「…うん」
その時に見えた彼女の表情は、何処か寂しげに見えた。
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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» わー!!!ありがとうございます…!本当に悩んでいたのでありがたいです…!いつでもいくらでもリクエストお待ちしています〜!!本当にありがとうございます!! (2020年6月11日 1時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - またリクエスト失礼してもよろしいでしょうか...? 赤面 と いつもと違う髪型 をお願いしたいです、、ふたつも無理言ってすみません(汗) (2020年6月11日 1時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 夢巫女さん» わー!いつもありがとうございます!!迷走中ですが、これからも読んで下さると嬉しいです!!更新頑張ります! (2020年6月4日 10時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - こういう作品を待っていたっ!!最初の方から読んでいましたが、感謝を伝えたくて我慢できませんでした!これからも更新楽しみに待ってます! (2020年6月3日 22時) (レス) id: a86d07998f (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - ぽんさん» わあ…!ありがとうございます!!凄く嬉しいです!更新マイペースですがこれからもよろしくお願いします〜!! (2020年5月26日 18時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年5月5日 23時