笑 門 来 福 ２【HQ】【月島蛍】【山口忠】

夢の中 ページ26

ふわふわとして暖かい。




布団とか毛布とかとは違う暖かさ。






ずっとこのままがいい。





「…A」





『お父さん？』






「…1人にしてごめんな、」






『お父さんっっ！！』






私はお父さんに抱きついた






『お父さん、お父さん、』






「ごめんな、」






『ぎゅっとして…お父さん…』





その言葉を聞いてお父さんが私を抱きしめてくれる。





暖かい。心が満たされていく。








「…A、」ﾖｼﾖｼ







『…』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ






「もう時間やわ…」






『え、お父さん…？嫌だ、まだ一緒にいたい！』






「…ごめんな、」






『嫌、嫌だよ、私を1人にしないで！！』






「…お前はひとりじゃない。だから大丈夫。」






『私は1人だよ…』





「今はそう思っててもいい。でも、気づくから。」




『…』





「あと、言い忘れてた。お前は私の自慢の娘だよ。」





『っっ』





「ほら、起きといで。またきっと来るから」







『…ほんと？』






「ああ。きっとな。」






遠ざかっていくお父さんはとても優しい顔をしていた。








そうそれは私の記憶の中のお父さんと全く同じ顔。

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