第6話 逆鱗 ページ7
ある日、降谷が1人の男子生徒と廊下ですれ違った時に耳元で言われた言葉。
「お前、マジ気持ち悪ぃんだよ」
──消えろよ。
その一言は、リオの逆鱗に触れた。
「…はぁ?」
一気に眉間に皺が寄る。
彼女は男子生徒の目の前にぐっと顔を近づけて言う。
「今、ゼロに向かって消えろって、言った?」
「っだったら、なんだよ」
彼は少し怖気付いたように答えた。
「アンタみたいなやつのそういう言葉でどれだけ多くの人が傷つくと思ってんの?
調子乗んのも大概にしてくんないかなぁ。
価値観古すぎ。はっ、時代遅れかよ」
嘲笑うように言い放った彼女の瞳には、怒りの炎が上がっている。
彼は思春期で悩みごとか何かがあり、その腹いせに降谷に暴言を吐いているのか。
そんなところだろう。
しかしそんなことは彼女にとって知ったことではない。
「行こう、ゼロ、ヒロ」
リオは2人の手首を掴んでその場を去る。
後ろの方で男子生徒の怒りの声が聞こえた。
「てめ、っざけんなよ!」
リオがあの男子生徒にびしっと言ったおかげで、周りの人間にからかわれることはなくなったのはあとの話。
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作者名:リオ | 作成日時:2023年3月31日 11時