第17話 安心 ページ18
そこで、他の女子生徒が切り出した。
「ていうか、伊達君、彼女いるんだー…」
「わかるー♡」
「そうか?」
伊達はその言葉に照れたように笑った。
「松田君は?」
「あ゛!?」
松田に振れば、眉間に皺を寄せて睨まれた。
「い、いないよね…。わかるー…」
彼女たちは気まずそうに返した。
3人の会話に聞き耳を立てている女がひとりいた。
リオだ。
(へぇ…松田、彼女いないんだ……)
何故少しだけ安心したのかは、まだリオには分からない。
松田たちを横目にリオはお通しを口に運んだ。
(あ、おいしい。このお通し…)
すると、全く同じタイミングで降谷が諸伏に言った。
「おいヒロ、リオ! このお通し…すげーうまいぞ!」
「だよね! これすごいおいしい!」
リオも彼に賛同するように頷いた。
「このくらいならオレでも作れるから今度作り方教えてやるよ! 2人とも料理はからっきしだからな…」
料理が得意な諸伏にとっては簡単らしい。
「悪かったな…」
「失礼なっ」
降谷とリオは諸伏を睨みながら言ったものの声色は楽しそうだ。
リオは、彼らと昔のように笑い合えたことが嬉しかったようで、微笑んでいた。
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作者名:リオ | 作成日時:2023年3月31日 11時