File370 ページ23
Youside
私達が向かったのは改めてホール内。
「…とまぁスポットライトを上げたバーにロープを渡し、
そのロープの片方を椅子に座った高木君に結びつけたが…
本当にひとりの力で釣り上げられるのかね?」
「勿論です。
まずはステージの上で上から垂れているロープを、
こんな感じで輪を作りながら持ち下の輪を手前から巻き付けるように上から二回巻き付け、
下側の輪を捻りながらその輪の中に輪より下に垂れている途中の部分をこう通して、できた大きな輪の先を2メートル位先の客席の手すりに引っ掛けます。
こんな具合に。
次にこの無い方のロープを手すりの内側に引っ掛けるように通して再びさっきと同じ輪を作り、
できた大きな輪と今度は4メートルくらい離れた席の手すりに引っ掛けて3つ目の輪を作ってロープの途中を通し、
できた大きな輪だけを持って今度は8メートルくらい離れた席の手すりに引っ掛ければ…
あとは3番目に作った小さな輪のところに戻り、
この余ったロープを引くだけ。」
なるほどね…理解したわ…このトリックで殺せるのは、あの人しかいない。
「じゃあ一番非力そうな園子さん!引いてくれますか?」
「へっ?あたし?」
園子ちゃんはすぐに降谷の元に行き、その余ったロープを受け取った。
「いいけど…どうせ私じゃ持ち上がらないわよ…!」
「わっ!わわわ!」
「えっ!?なんで!?」
「なんでだ!?」
「…なるほどね…滑車の原理、だよね…?」
「えぇ。ロープの途中に作った小さな輪が滑車の役目を果たし、ひとつの輪ごとに2倍、4倍、8倍の力でロープを引くことができるんですよ。
実際は滑車ではなくロープの輪ですから…摩擦の影響で8倍とはいきませんが軽くて滑りの良いロープなら園子さんでも高木刑事を釣り上げられる。」
「つまり犯人は複数の人間ではなく一人で波土さんを吊り上げたことになる。」
「尚これは輸送結びといい、運送業者が積み荷を輸送する時に使うロープの結び方。
つまり波土さんを吊りあげた犯人として一番疑わしいのは…
若い頃運送業のバイトをしていたという…
波土さんのマネージャーの…円城佳苗さん。
貴方ということになりますが。」
やはり彼女…動機があるとすればあのことか…?
847人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
反町ゆうり(プロフ) - すいさん» リクエスト…ありがとうございます!感謝です!(泣)そのシーン今後考えてみようと思います!すい様こそお体に気をつけてください! (2022年11月8日 22時) (レス) id: 9c7b927df5 (このIDを非表示/違反報告)
反町ゆうり(プロフ) - すいさん» 遅くなってすみません…(汗)漆黒の追跡者、わかりました!今度キリのいい所で更新していきます! (2022年11月8日 22時) (レス) id: 9c7b927df5 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 更新再開ものすごく嬉しいです😭😭😭リクエストなのですが漆黒の追跡者をお願いしたいです! (2022年11月8日 22時) (レス) id: b0ccef1124 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年6月25日 8時