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Aside
「何?話って。」
「肝試しの時いつの間にか、白石さんいなくなってましたよね?」
「あの時撮ったビデオのどこにも白石さんが映ってませんでした。」
「みんなに黙ってどこに行ってたんですか?
お願いです、教えてください。」
「俺からも、お願いします。」
はじめちゃんも隣で白石さんにお願いしてくれた。
「見たのよ。」
「「見た?何を?」」
「肝試しの夜、ハシゴを運んでる人影があの時、見えたの。
で、誰だか確かめようと思って見に行ったの。」
「「確かめたんですか?誰なんです?」」
「いや…夜だったし、はっきりとは。」
「ほんとですか?ほんとは見たんじゃ。」
「色々事情があるの。」
「「事情?」」
誰かって、誰なんだ…それに、事情って??
「また鬼火の霊?」
「「いや、違うよ。」」
「白石さんが誰だか言えないってことは、
その誰かは白石さんが知ってる人。
つまり、この研修所に残ってる誰かってことなんじゃないかな。」
「あっ、そっか…じゃあ、その人が犯人?」
「いや、そうとも言い切れないよ。ハシゴを使えば、
椎名さん殺しの説明はつくけど…森村さんの密室殺人は、
ハシゴを使ったとしても絶対に不可能なの。」
「なるほど…また振り出しですね。」
「「降り出しじゃないよ。」」
ハシゴがなくなった理由と、ゴミ箱の位置が変わってた理由。
それぞれの意味がわかればきっと、犯人に辿り着くはず。
「誰かが森村さん殺しの直前にハシゴを持ち去った。」
「「やっぱり何かある。
誰かが鬼火島の伝説を利用して森村さんと椎名さんを殺害した。
この合宿に参加してる誰か。
そいつが/その人が真犯人だ/よ。
この謎、俺が/私が必ず解き明かしてみせる。
名探偵といわれた…じっちゃんの、名にかけて。」」
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月7日 20時