今度は指にして？ 2【arym】

エピローグ ページ35

有岡side


山「わぁ、ここの公園懐かしい〜！」

二人で歩いて来たのは、俺と山田が昔出会った公園。


山「ちっちゃい頃、よくここで遊んだんだあ！」

知ってるよ、だから出会ったんだもん、俺とお前は。



きゃあきゃあ、興奮している後ろ姿に

有「山田っ」

と声をかけた。


山「うん？なぁに？」


振り向いて、ふんわり笑う顔を見たら

どういう順序で言おうとか、ぜんぶ吹っ飛んじゃって。


口から勢いよく飛び出た言葉は、、。






有「…っ、一目惚れだったんだ！」



おっきく見開かれる目。



有「急に、こんなこと言われても困ると思うけど........。

でも、ほんとに一目惚れしたんだ。昔、ここで出会った山田に........。」



どういう反応をしているか分からなくて、山田を見ると

山「思い出して........くれた........の、？」


涙でいっぱいの瞳。

その瞳を見たら、胸がぎゅっと掴まれた。




有「うん、ずっと待っててくれてありがとな。」

山「.......ふぇ........っ、だいちゃっ........」


ぎゅうっ、と勢いよく飛びついてきた小さな体を抱き締める。


山「俺っ、ずっと........指輪........持っててっ！
大ちゃんは、っ、覚えてないかもだけど........ねっ、、？」



嗚咽まじりに話すから聞き取りづらいけど、山田が俺に伝えたいことは充分に分かった。




有「指輪、ずっと持っててくれたんだ。ありがとう」

優しく頭を撫でて、声をかけると、涙でぐしゃぐしゃの顔をあげて



山「だって........っ！俺だってっ！一目惚れだったからぁ〜！！！」



と、顔を真っ赤にして、可愛い告白をしてくれた。

それを聞いた瞬間、顔中に熱が集まるのを感じる。






有「山田、、絶対幸せにするって誓うから。、」


うん？、と鼻まで赤くなった顔をあげる山田を見つめながら

そっと、山田の首にかかっている指輪を持ち上げた。





有「ホンモノ、はめてくれないかな、。」
山「ふぇ？」


今はまだ、そんなに高価な指輪は渡せないけど、と呟くと首を横に振って嬉しそうに笑う。


そっ、とポッケから箱を出す。
公園なんて全然ロマンチックじゃないけど…。

目の前の山田がみるみるうちに顔を赤くしてさらに目を潤ませるからこれでもいいかと思えた。



すぅ、と息を吸って最後の心の準備をする。


有「遅くなってごめんな。

これ、…今度は指にして？」




はい、と微笑んでうなずく山田は、

今まで見た中で1番綺麗だった_______________。






Fin.

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