最後の晩餐�� ページ22
「あ、いたいた！」
2月23日。朝香が本部での書類仕事を終え、帰宅をする為にエレベーターに向かっていると後ろから快活な声が響いた。声の主のものであろう匂いが確実に自分に近付いてきている事を確認した朝香は足を止め振り返る。
駆け寄ってきたのは仁礼 光。影浦隊でオペレーターを務めている彼女は、朝香の幼馴染みにあたる。
何でも、母親同士が高校時代からの友人なのだとか。
『光ちゃん、どうしたの？』
「ちょっと付き合え！」
仁礼は朝香の返答を待つこと無く、朝香の手を掴み歩き出す。朝香は初めこそ動揺したが、昔から仁礼はこういう事がよくあるため黙ってついて行くことにした。
･
『...え』
されるがままに仁礼に連れてこられた朝香がたどり着いたのは“お好み焼き かげうら”だった。中からは騒がしい声が聞こえるあたり、繁盛しているようだ。
仁礼は朝香に振り返ると、満面の笑みを浮かべてそのまま手を引いて入店する。
そして、席が決まっているのか止まることなく進む。
「おーー寂しい男どもよ！ヒカリさんとAが来てやったぞーー！」
『！？』
仁礼の声に先客である影浦、北添、当真、村上、空閑、荒船、穂刈の顔が二人に向く。朝香は状況が呑み込めず珍しくあたふたしていた。
『ひ、光ちゃん？これは...』
「A、今週の金曜日でボーダー辞めるんだろ？最後くらいこーゆー寄り道に付き合え！」
『寄り道にしては強引が過ぎるのでは？』
いいからいいから！と仁礼に手を引かれ、朝香は荒船と穂刈の座っている座席の荒船側に押し込まれた。それを満足そうに眺めた仁礼も北添の隣に腰を下ろした。
ここまでされてしまってはもう引き下がれないと悟った朝香は着ていた藍色のコートを脱ぎ、メッセージアプリで母親に連絡を入れた。
「つーかおめーら仲良かったんだな」
「アタシら幼馴染みなんだよ、知らねーの？」
「しらねーよ」
仁礼と影浦が北添を挟んで会話をしているのを朝香は運ばれてきたお冷を一口飲みながら眺めていた。
言われてみれば、ボーダーに入隊してから関わることが減ったなと朝香は思う。仁礼の入隊してきた時も、朝香は既にA級2位の座におり中々関わる機会が無かった。
「で、お前何にするんだ？」
「奢ってやる、最後だからな」
荒船と穂刈が朝香を見てそう言う。
そして、朝香はいつも通りの落ち着いたトーンでオーダーをする。
『おすすめで。
とびっきり美味しく焼いておくれ、最後だからね』
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にこ(プロフ) - この度はこんなにも素晴らしい作品を作成してくださりありがとうございます（ ; ; ）出会えたことにとても感謝しております！他の作品も楽しみにしております！完結までお疲れ様でした＾＾ (2022年1月31日 0時) (
レス) @page32 id: 122cc99496 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 綺世さん» 楽しみにしてます！(*´꒳`*) (2021年11月2日 16時) (レス) id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - そるとさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！また作品を出した際にはよろしくお願いいたします。 (2021年11月2日 11時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ワールドトリガーで一番好きな作品だったので完結したのがとても嬉しい反面寂しい気がします、次作も楽しみにしてます！ (2021年11月2日 7時) (レス) @page32 id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2021年8月11日 3時
