驚きの指示 ページ1
2月15日に行われたB級ランク戦夜の部。
玉狛第二は、ここに来て初めて生存点を逃し対戦カード内で最下位となった。
やはり、B級上位の実力は伊達では無い。壁は厚かったのだ。
朝香と澤は、その結果に「でしょうね」という反応。期待はしているが、実力的に今のままでは上位グループでは勝ち残れないだろう。と、二人は玉狛第二を分析していたのだった。
そして、そのランク戦の翌日。
朝香と澤は、忍田に会議室に呼び出された。今まで二人で呼ばれるという経験は無く、疑問を持ちながら会議室に向かった。
「失礼します、澤と朝香ですが...」
扉を開いたまま前に進まない澤に、朝香は何をしているんだと思っていると、部屋の中から多数の人の匂いが香ってきた。その中には、忍田の匂いも含まれていた。
「すみません出直します」
「いや、入ってくれ。話がある」
錚々たる面子の揃う会議室に、場違いさを感じながら澤と朝香は入室する。
「悪いな、非番の所態々来て貰って」
「いえ、お気遣いいただき大変恐縮です」
忍田の言葉に、澤がそう会釈しながら返すと朝香も隣で会釈をした。その様子に数名が「この二人本当に未成年なのか?」と思う程、礼儀正しい。特に澤の変貌振りは普段とまるで別人だ。
『早速ですが、ご要件は何でしょうか』
朝香がそう聞けば、忍田がそれに答える。
どうやら近い内に再び近界民が攻め込んでくるようで、その詳細として可能な限りの対外秘として行うこと、ランク戦や防衛任務も通常通り行うことが伝えられた。
「そしてここからが君達への本題だが、今回君達二人は“部隊”として戦いに参加して欲しい」
朝香と澤は驚きで小さく声を上げる。まさかそんな指示が下るとは夢にも思わなかったのだ。
しかし、何故今回に限り態々そんな事を指示したのか朝香と澤は疑問を抱いた。それを分かっていたのか、今度は城戸が口を開いた。
「今回攻めてくるとされている国は、何方もアフトクラトルと主従関係にある国だ。大規模侵攻の戦いを終えもし各隊の戦闘分析をされていた場合、対策を練られている可能性がある。あの時部隊として戦っていなかったのはお前達だけだ。そして、どんな敵にも臨機応変に対応できるの技能が高い“澤隊”の戦力が必要となったということだ」
「その場合、特攻隊として戦いを先導して貰いたい」と城戸は言葉を締めた。
城戸の話を聞いた周りの者は、解散したはずの澤隊に対する城戸の信頼度の高さに驚いていた。
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にこ(プロフ) - この度はこんなにも素晴らしい作品を作成してくださりありがとうございます( ; ; )出会えたことにとても感謝しております!他の作品も楽しみにしております!完結までお疲れ様でした^^ (2022年1月31日 0時) (レス) @page32 id: 122cc99496 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 綺世さん» 楽しみにしてます!(*´꒳`*) (2021年11月2日 16時) (レス) id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - そるとさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました!また作品を出した際にはよろしくお願いいたします。 (2021年11月2日 11時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ワールドトリガーで一番好きな作品だったので完結したのがとても嬉しい反面寂しい気がします、次作も楽しみにしてます! (2021年11月2日 7時) (レス) @page32 id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺世 | 作成日時:2021年8月11日 3時