▽３ ページ3
「……はぁ」
「A、おはよ」
「……のーぞーみーちゃーん……」
「はいはい」
ギリギリで登校した学校
雨の日はいつもこんな時間に来るから慣れてしまった
教室に入ってみれば、じめじめとした空気が健在で、皆の気持ちもなんだかどんより気分に見える
私も、学校に来ちゃえばみんなと同じ
雨なんてやんじゃえ……
「今日も話しかけられなかったの？」
「……だって、無理だもん」
「でももう１年でしょ？頑張りなって」
「だってー……」
恥ずかしくて……
好きです、なんて言えないよ……
・
私が彼と出会ったのは１年前の入学式の日
あいにくの雨でせっかくの新しい制服もなんだかしゅんとしてるみたいだった
『あー……雨とか最悪』
憧れだった電車通学
そんなのも、雨にかかれば嫌だなーなんて、思ってしまう
七号車の2番目のドア
なんとなく、階段から少し離れてるそんな場所で電車を待っていたんだ
電車がきて、乗り込むと
大きいエナメルバッグを足元において、手には参考書
反対のドアの右側に寄りかかっている有名男子校の制服を着た男の子がいた
なんとなくその人の前に
・
あーもう、髪の毛ぼさぼさ……
だから雨は嫌い……
湿気でせっかく肩までの髪もも綺麗に巻けたのに崩れるし……
はぁー最悪……
・
そんなことを思いながらくしを取り出して、髪をとかした
すると、ーカシャン……と音を立てて手から滑り落ちた私のピンクのくし
屈んで取ろうとした瞬間、
私より先に伸びた手
・
『はい』
『あ、ありがとう、ございます……』
拾ってくれたくしを笑顔で渡してくれた彼
その笑顔から目がそらせなくて、なんだか頬が熱い
・
『入学、おめでとう』
最後に笑顔でそう言って、桜台で降りていく彼の背中を見えなくなるまでずっと見つめていた
恋に落ちるなんて、本当に一瞬で
あの笑顔を忘れなくて
私は１年間彼に片思いをしているんだ
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ひまぽん(プロフ) - 他の方も書かれているように、本当に可愛らしいお話でした。また読みたい話です。 (2017年2月11日 0時) (
レス) id: b3650bcbbc (このIDを非表示/違反報告)
天然.*°・☆＊。&イタズラ.*°・△＊。 - このお話可愛いすぎる…なに？あめふり坊主ってなに？可愛いすぎですか？重岡さん。○○ちゃんに話ことあるわで自分の思いを可愛らしく言うのがちょーおきにです♪ (2017年2月5日 9時) (レス) id: ab408f8195 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - ちーちやんさん» コメントありがとうございます！！可愛いお話だと言っていただけてとても嬉しいです^^*読んでくださってありがとうございました！ (2017年2月2日 23時) (レス) id: 7e68a8b094 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちやん(プロフ) - 可愛すぎて鳥肌たちました( ´тωт` ) (2017年2月2日 22時) (レス) id: 7dd3e4b71a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - 優衣さん» コメントありがとうございます^^*本当ですか？！やっぱり1度はこういう妄想しちゃいますよね笑ありがとうございます！これからもよろしくお願いします^^* (2017年2月1日 16時) (レス) id: 7e68a8b094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり
| 作成日時：2017年1月30日 23時
