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定期をかざして、ホームに入れば
少しギリギリのこの時間にはあまり人がいなくて、私は一番前で電車の到着を待つ
と、言っても
ただ単にここが田舎町なだけなんだけど
七号車の2番目のドア
ここが私の定位置で、どんなことがあっても必ずここに足を止めている
『間もなく、4番線に電車が参ります』
『危ないので、黄色い線の中に入ってお待ちください』
そのいつもの放送に、私は少し後ずさりをして、黄色い線の上に立つ
どきん、どきんって心臓の音が私の耳を支配するの
遠くから聞こえる音にぱっと顔をあげれば、もうその光は近くまで来ていて
余計に心臓を鳴らした
・
『乗り換えの方は……』
開いた扉からたくさんの人がでてくる
この駅は線がいっぱいあるから乗り換えする人が多いんだ
人の流れが止まったところで、私はその足を電車へと進める
たたんだ傘から雫がぽたぽたと、小さな水たまりを作っていく
『ドアが閉まります』
・
逆側のドアに隣の男子校の制服を着た1人の男の子
私は彼が寄りかかっている反対側に寄りかかる
スマホをいじる振りをして、ちらっと前を見つめた
・
……あ、今日は英単語だ
このあいだ持っていたのとは違うやつ
もう終わったのかな……
コンタクト忘れたのかな……？
今日はメガネ
……かっこいいかも
・
にやにやしそうな頬をなんとか沈めて、私はいくらスクロールしても変わらない画面をスクロールし続ける
連絡なんてきてないのに、確認のふりをしてLINEをチェック
昨日LINEしてた希ちゃんからも秋ちゃんからも返信返信はないし、電話だってきてない
ポケットにスマホを一旦入れて、外を眺めて
ちらっと彼のことを見て、胸をきゅんと奏でて
またスマホを取り出す
そんなことをしている間に、今日も夢の時間は終わりのようで……
・
『次は桜台ー桜台です』
桜台は彼が通っているであろう男子校の最寄りの駅
私はその2個先の駅だ
会話どころか目も合わずに、彼は今日も赤い傘を手にして、参考書をスクールバッグにしまえば降りていってしまう
「あ…………」
小さな声なんか、扉がしまってしまえばただの吐息
今日も動き出した電車から彼を見つめた
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ひまぽん(プロフ) - 他の方も書かれているように、本当に可愛らしいお話でした。また読みたい話です。 (2017年2月11日 0時) (
レス) id: b3650bcbbc (このIDを非表示/違反報告)
天然.*°・☆＊。&イタズラ.*°・△＊。 - このお話可愛いすぎる…なに？あめふり坊主ってなに？可愛いすぎですか？重岡さん。○○ちゃんに話ことあるわで自分の思いを可愛らしく言うのがちょーおきにです♪ (2017年2月5日 9時) (レス) id: ab408f8195 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - ちーちやんさん» コメントありがとうございます！！可愛いお話だと言っていただけてとても嬉しいです^^*読んでくださってありがとうございました！ (2017年2月2日 23時) (レス) id: 7e68a8b094 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちやん(プロフ) - 可愛すぎて鳥肌たちました( ´тωт` ) (2017年2月2日 22時) (レス) id: 7dd3e4b71a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - 優衣さん» コメントありがとうございます^^*本当ですか？！やっぱり1度はこういう妄想しちゃいますよね笑ありがとうございます！これからもよろしくお願いします^^* (2017年2月1日 16時) (レス) id: 7e68a8b094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり
| 作成日時：2017年1月30日 23時
