氷雪の剣士～ソードアート・オンラインアインクラッド編～ (ページ3)

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第２話～リヒトside～ページ3

リヒト「し、師匠？」

アイリ「だってレクチャーしてもらうんだから、師匠でしょ？あれ、先生のほうが良かった？」

　アイリは呼び方に謎のこだわりがあるらしい……………。でもまぁ、師匠って呼ばれるのもいいかもな。

リヒト「じゃあ、アイリ。レクチャー始めるぞ。」

アイリ「はい、師匠！」

リヒト「まず、アイリの武器はなんだ？」

　アイリは初心者の女の子だし、短剣か細剣だろうと思っていた俺は、アイリの武器を聞いたときは耳を疑った。

アイリ「えっとねー、片手剣だよ！」

リヒト「片手剣！？」

　女性プレイヤーで片手剣はあんまり聞いたことないな……………。でも俺も片手剣だし、教えやすくなったな。

リヒト「よし、まず基本の剣の振り方は……………。」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

アイリ「なるほど……………これをこうするんだね。」

　物覚えが早いアイリはあっという間に、片手剣の使い方をマスターした。

リヒト「あぁ、そうだ。じゃあ最後にソードスキルを教えるぞ。」

アイリ「ソードスキル……………？なんか、すごそうだね！どうやってやるの！？」

　興奮しているアイリに苦笑いしながら、ベータテストの時にやった感覚を思い出した。

リヒト「うーん、なんかほとんど感覚みたいなもんなんだけど、初動でほんの少しタメを入れてスキルが立ち上がるのを感じたら、あとはこうズパーン！て打ち込む感じで……………。」

アイリ「ズパーン……………。」

　呟きながら何度か深呼吸をして、アイリは地面を右足で蹴った。

リヒト「速い……………！」

　アイリは床ぎりぎりの高さを全速で一瞬にして駆け抜け、右手の剣を捻りながら突き上げた。

アイリ「はあっ！」

　突き上げた剣の刃はオレンジ色にギラリと輝きながら、青イノシシに見事に命中した。技は片手剣の基本突進技の"レイジスパイク"だが、雑魚モンスターの青イノシシには充分な威力を放った。

　モンスターの巨体がガラスのように砕け散り、俺の目の前に紫色のフォントで加算経験値の数字が浮かび上がった。

アイリ「やったぁぁ！！」

　ガッツポーズをして満面の笑みをうかべるアイリが、なんとも可愛らしく思わず微笑んでしまう。