8.抗争の始まり ページ10
花桐SIDE
東京のとある駐車場。東卍の人たちは既に着いていた、私は5分前に来たつもりなんだけど随分とせっかちね。
「初めまして、東京卍會総長…佐野万次郎」
マ「お前が羅賦良簾の総長?後マイキーって呼んで」
噂通り総長は小さく副総長は大きい。オーラは申し分ない…、少し腰が引けるほどの威圧。東卍にこんな抗争吹っ掛けるグループなんて私たちぐらいだろう。
「総長…ではなく首領です。私は羅賦良簾の首領、花桐A」
マ「Aね。…じゃ、早速始める?」
「えぇ…。ですが少し待っていただけますか?5人共、少し来てくれない?」
私は5人を寄せて、相手する人と隊を確認させた。
「お待たせしました、では…始めましょうか。羅賦良簾対東京卍會の抗争を」
マ「…お前ら!やっちまえ!!」
佐野の掛け声で一気に相手から攻めてきた。私は目の前に次々と湧いてくる下っ端たちをなぎ倒し、総長の前に立った。
「マイキー、貴方の相手は私です」
マ「ん…」
まずは相手の攻撃方法を見極めることが大切。
佐野は足で攻撃を仕掛けることが多いとさっちゃんが言っていたけど…。
「…!」
銃が発砲されたような音…、私はこの音が佐野の足による攻撃音だって気づくまで10秒以上かかった。反射的に頬を腕で守ったけど…守っていなかったら多分一発で落とされてた。
「…はは…、想像以上…」
こんな強い相手…初めて。
私は蹴り上げられた佐野の足を掴んでそのまま投げた。軽い…、身長も私より小さいし。
マ「女に手は上げない主義なんだけど」
「抗争に女も男もありません。気にせず来てください」
マ「…ホントにいいの?」
優しいのね、この人。女に絶対手を上げないなんて…。
「何のために私が貴方の相手をするのかわからなくなるじゃないですか」
私はそう言って上から跳びかかってきた佐野の腕に自分の腕を回し、燕返しを食らわせた。力で勝てないと思ったら相手の勢いや技、力を利用してカウンターを狙うことに徹しよう。その方が体力も持つ。勿論欠点もある。
決められない。
マ「不良っぽくない戦い方だね」
「最近そればっかり言われます。私は不良っぽくないって」
声を発しているのに、それでも佐野の攻撃に隙と緩みは一切生じない。
「私の親は絶対に武道を習わせてくれませんでした。だから…この合気道や柔道の技は全て我流です。本物には敵いません」
マ「じゃあなんで?」
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時