19.ついていくのは貴方だけ ページ21
花桐SIDE
あぁ…みんなの声がする。温かいわ…。
「……
私は重い瞼を何とか開けた。目の前には泣きそうになってる椿と安心した顔の紫苑がいた。
椿「起きた…、起きたよォ…」
「……」
呼吸器をつけられているせいで声が上手く発せない。
「つば…き…」
私は体を起こそうとした。その瞬間腹部に激痛が走り、顔を歪めてしまった。
椿「まだ駄目。…Aちゃん生死の境ずっと彷徨ってたんだよ。救急車の中で心肺停止になって今夜が峠だって言われた。ホントに…心配させないで、Aちゃん。心臓に悪すぎる…」
「ごめん…ね」
ガラガラっとドアが開き、視線をそっちに移すと果物を大量に持った佐野と龍宮寺と金髪の子がいた。…どこかで見た気がするけど、誰だろう。
椿「三人共…」
マ「Aッ!!」
「…え…?」
マ「俺が…あいつらを止めれなかったせいで…」
…私謝られてる…?
「佐野は…謝らないで…。…あの子たちが…きっと…他の誰かと…勘違いして…」
マ「それでも、これは東卍全体の失態だ。責任は総長が負うものだろ?」
「良いの…。だって…こうやって…助かったんだもの…。…あまり…背負いすぎちゃ駄目だよ。…貴方が…壊れてしまう…」
動きにくい腕を上げて佐野の頭を優しくゆっくりと撫でた。こんな小さな体に…総長なんて重い荷物を背負わせて、大変だろうね。
「…紫苑。抗争は…どうなった…?」
華「俺らの負けってことにしてある。でも傘下には入らない、羅賦良簾と東卍の混合グループとなった」
混合グループ…、いかにも佐野が考えそうなことね。負けた身だから特に異論はないけど、他の皆は…これからもついてきてくれるのかな…。
「そ…っか。…それで…?…5人は…ついてきてくれるの…?」
華「勿論、誰もAちゃんから離れるなんて一言も発さなかったよ。みんなAちゃんが首領じゃないとついていかない。…いや、ついていかないんじゃなくてついていけない…だな」
そんなにおだてても何も出ないのに。まぁ…でも…素直に嬉しいな。
「…良かった」
?「あの…Aさん」
「…貴方は…東卍の人?」
?「はい、花垣武道と言います」
…!…さっちゃんの警戒していた人。思っていたより普通の不良って感じだけど、何か雰囲気が他の中学生と違う。少し大人びている?
「武道…、何か言いたいこと…あるの?」
武「他の人は席外してもらっていいすか?」
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時