18.私の覚悟 ページ20
花桐SIDE
父「お前…、誰に向かってそんな口きいてんだ…。俺らはお前をそんな風に育てた覚えは全くない!どうせソイツに影響されたんだろ!」
私「違う!これは私が考えて考えて考え抜いた先にあった答えだ!!私は私だ、あんたらの玩具でも道具でもない!!これ以上私を縛り付けるな!!」
声を荒げたのは初めて、息が乱れる。お父さんの顔が真っ赤になっていき、隣にいたお母さんが焦っている。
紫「よく言った、ちゃんと自分持ってんじゃん。Aちゃん」
華相さんの抱きしめる力が強くなった。大きい手が私の精神安定剤となり、息は段々自然と整っていった。
でも…次のお父さんの行動で私はまた地獄に堕とされる。
父「おい」
お母さんがお父さんに何かを渡した。…手に握られているものは…、
紫「ッ…俺らを…殺す気…?」
包丁…。まさか…私が言うことを聞かなかった時のために…?私が刺されるのは仕方ないけど、華相さんを巻き込むわけにはいかない。
父「帰るぞ、A」
私「……嫌…、私は…もう二度と帰らない」
お父さんは諦めたような顔をした。…本当に脅す気だったんだ。もう…ここにはいたくない、早くこの人たちの目の前から消えたい。
私「紫苑、行こう」
紫「…あぁ」
私たちが両親に背を向けた時、何かを振り上げた音がした。
紫「…ッ!」
華相さんは私の視界を塞いだ。…だから、私はこの瞬間に何が起こったのかわからない。
視界が晴れた時には…、両親はどっちも絶命していた。わざわざ華相さんに聞くまでもない、殺したんだ。…私を守るために。
紫「…逃げな。俺はこの死体片付けないといけないから」
私「…華相さんは…どうなっちゃう?捕まる?」
紫「もう紫苑でいいよ。俺は捕まる、多分年少行き。…でもこれは防衛のための行動だ、過剰防衛だってみなされるけど…多少刑は軽くなるはず」
お別れ…?もう…二度と会えない…?
紫「年少から出たら…、また遊ぼう。Aちゃん」
私「…うん」
紫苑は…さよならは言わなかった。また遊ぼうって言ってくれた。…だから、これが最後じゃないんだ。…次紫苑に会う時は…もっと強くなってるから。誰にも負けないぐらい…強くなる。
これが12歳の時の話。
あれ…意識が…戻される。まだ…椿のこと話してないんだけどな…。
?「Aちゃん!!Aちゃん!」
?「いい加減起きなって、Aちゃん。桔梗ちゃんはもう起きちゃったよ」
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時