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白橋SIDE
三ツ谷さんの作業様子をジッと見ていたら驚かれてしまった。そんなに顔近かったかな…。
三「終わった」
「ありがとうございます。今日はこれで終わりにしましょう。お疲れさまでした、少し休んでいかれますか?」
三「いいの?」
「はい、手伝ってもらっているお礼です」
私は三ツ谷さんを家の中に案内し、夜ご飯を作った。九井さんは結構な大食いだったけど…、三ツ谷さんの食べる量は多分平均的だよね。
「簡単なものしか作れませんけど…、どうぞ」
三「白橋は?」
「私は食べなくても大丈夫です。作業部屋にいるので食べ終わったら呼んでください」
私は作業部屋に入った。途端に、体の力が抜けた。…無理矢理笑うのも、それを悟られないように冷静さを保つのも…こんなに大変だったなんて知らなかった。三ツ谷さんは鶴蝶さんや九井さんのように私の今の状態を知っている訳ではないから、気づかないとは思っている。
でも、三ツ谷さんは人の変化に気づく人だ。手を握られた時、私は嫌な顔をしてしまったのかもしれない。すぐに嫌なら離していいと言ってくれたから…。
「…なんで…みんな優しいんだろう」
私は疑問を抱きながら、さっきまでやっていた作業を再開した。
三「白橋、開けていいか?」
「どうぞ」
三「夜ご飯美味しかった、ありがとな」
「いいえ、こちらこそこんなお礼しか出来なくてすみません」
作業を中断し、私は部屋に戻った。皿は綺麗に洗われて置かれていた。…厚意でやってくれただけだし何も言えない。
三「ホントにご飯食べなくて大丈夫か?」
「…はい。元々食は細い方なので」
三ツ谷さんは心配そうな顔でこちらを見つめた。鶴蝶さんにも言われたけど、不安になるほど私って細いの?頭は重いけど、特に体に異常はないし朝も起きられる。だから心配する必要はない…んだけどな。
「もう帰られますか?」
三「あぁ、また明日来る。じゃあな、おやすみ」
「おやすみなさい。明日もまたよろしくお願いします」
私は玄関のドアが閉まるまで頭を下げた。もう家の中には私しかいないと思うと、一気に孤独感が襲ってくる。…当分は…この感覚は抜けそうにないかな。
私はため息を吐きながら綺麗になっている皿を食器棚に戻し、作業部屋に入った。
そして0時を過ぎたぐらいでシャワーを浴び、歯磨きや明日のやることをまとめた。それが終わったらまた作業。眠気を一切感じない…、お腹も空かない。
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suffron*(プロフ) - ゆいとこさん» コメントありがとうございます!三ツ谷君が最推しなんで結構序盤絡ませていきたいと思ってるんです!これからも頑張りますね! (2022年11月18日 15時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!(おめでとう…なのか?)いつも楽しく読ませていただいてます!!三ツ谷くん出てくるんですね!今後の展開がすごく楽しみです♪無理せず更新頑張ってください!! (2022年11月18日 15時) (レス) @page1 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月17日 23時