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鶴蝶 ページ36

白橋SIDE

 私の言葉に鶴蝶さんは暗闇でもわかるほど目を見開いた。蘭さんは知っていたのに、鶴蝶さんは知らなかったんだ…。

 「ふふっ、知らなかったんですね」

鶴「なんで笑っている。竜胆がそんな簡単に好きな女を手放すなんて考えられないんだが」

 へぇ…。

鶴「いや…、そもそもあの二人は女遊びが激しいから女を本気で好きになること自体不思議だ」

 「それは同感です。だから…きっと、私のことなんてすぐに忘れます。蘭さんが、俺の弟が機嫌悪いと殴り込みに来ましたが…」

鶴「蘭が…?…すまなかったな、俺は何も聞かされていなかった」

 鶴蝶さんが悪いわけじゃない気がするけど…。蘭さんだって竜胆さんのことを思って私の元に来たんだろうし。誰のせいでもない。…全部私が悪い。

 竜胆さんの機嫌が悪くなるのも仕方がないこと。

鶴「どうして別れた?」

 「仕事上の都合です。私がこうして襲われるのはこれが初めてではありません。…自分が傷つくのはまだいいんですけど、もし他の客がいてその人が巻き込まれてしまったら責任が取れないでしょう?だから…、無理を言って別れてもらいました」

鶴「…嫌なことを聞いた、すまない」

 鶴蝶さんのトーンは少し低く、本当に心配してくれていることがわかる。

 「大丈夫です。鶴蝶さんは…反社の方とは思えない程優しいですよね。仲間の心配ならまだしも…、私なんかの心配をしてくれるなんて」

鶴「俺は優しくない。後、自分なんかって言うのはやめた方がいい。お前は強い人間だって…アイツらも言っている」

 アイツらって…、竜胆さんたちのことかな。私は…ただ強い人間を演じているだけ。悪い人間を追い返す勇気も、銃を恐れていないような振る舞いも、全て自分に言い聞かせているだけだから。

 私は“慣れた”

 「もし…この私が作り物だとしたら鶴蝶さんは失望しますか?」

鶴「作り物…とはどういう意味だ?」

 「ロボットや人形ではありませんよ。性格のことです。これが演技だとしたら…」

鶴「演技だったとしても、それを崩さずに生きていられるのは尊敬する。お前は…イザナが認めた人間だ」

 イザナさんが…私を認めている?もういないのだからあまり気にすることでもないけど。

 でも、その言葉だけで今の私は救われたような気がした。イザナさん…、もう一度だけ会いたい。会って話がしたい。貴方なら…、良い答えをくれると思うから。私にとって一番の選択を教えてくれるはずだ。

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suffron*(プロフ) - ゆいとこさん» コメントありがとうございます!三ツ谷君が最推しなんで結構序盤絡ませていきたいと思ってるんです!これからも頑張りますね! (2022年11月18日 15時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!(おめでとう…なのか?)いつも楽しく読ませていただいてます!!三ツ谷くん出てくるんですね!今後の展開がすごく楽しみです♪無理せず更新頑張ってください!! (2022年11月18日 15時) (レス) @page1 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月17日 23時

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