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竜胆 ページ28

白橋SIDE

 タキシードとドレスを作るための生地はまだ届かないのかな。三ツ谷さんに連絡が出来ない。出来るだけ早く作り始めて何度か調整したいのに。あの人たちも色々日程を調整しないといけないだろうし。

 あ、そうだ。他の足りなくなっている生地も頼まないと。オーダーメイド用の生地は一回一回買っていたら時間も余計なお金もかかるから大体いっぺんに買う。必要な生地って言っても裏地だけだけどね。後は糸とか…、色々。

 最近生地の原価も上がって来てるし…、スーツの値上げもそろそろ視野に入れておかないとな。本当は今の値段で売りたいんだけど、あの値段を見せられたらちょっと考えてしまう。

 「いらっしゃいませ」

客「いくつか同じスーツを買いたいんだけど、ある?」

 「スーツのサイズはいくらぐらいでしょう。サイズによって在庫の数が異なってきます」

 多分在庫は十分にあると思うけど…。10着以上欲しいと言われたら後で作り足さなきゃいけなくなりそう。

 客はサイズにピンと来ていないみたいだな。号を聞いた方がわかりやすいか。

 私は客が来ているスーツのサイズを探して、在庫の数を確認した。…良かった、結構在庫は残ってる。このサイズを買いに来る人多いし、元から結構仕立ててたんだよね。

 「何着必要ですか?」

客「…5着ぐらいだな」

 「5着ですね、かしこまりました」

 一気に5着も買う客は中々いない。また来てくれるといいな。

 「ありがとうございました」

 午前中の客はこの人だけだった。一着1万程度だったから5着も買ってくれてラッキーだけど。

 ただいま正午。お腹は空いてない。竜胆さんと会わなくなってから全然ご飯が食べられていない。お腹に何か入れようと頑張ってるけど…、気持ち悪くなって吐き出してしまう。ちゃんと今日話し合えばお腹も空くようになるかな。

 午後は客が5人来た。オーダーメイドが2人、そのまま買っていった人が3人。今日はいつもより来てくれて嬉しい。

 そして、閉店時間。いつも通り竜胆さんはシャッターを下ろす直前にドアを開けた。

竜「A」

 「…今日は…追い返しません。しっかり…話すべきことを…話し合いましょう」

 私と竜胆さんの間に不穏な雰囲気が流れる。

 「どうぞ、上がってください」

 コーヒーを淹れてテレビ前にあるソファに座っている竜胆さんに出してあげた。

 「竜胆さ…」

竜「A」

 「…はい」

竜「俺は…別れたくねぇ」

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suffron*(プロフ) - ゆいとこさん» コメントありがとうございます!三ツ谷君が最推しなんで結構序盤絡ませていきたいと思ってるんです!これからも頑張りますね! (2022年11月18日 15時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!(おめでとう…なのか?)いつも楽しく読ませていただいてます!!三ツ谷くん出てくるんですね!今後の展開がすごく楽しみです♪無理せず更新頑張ってください!! (2022年11月18日 15時) (レス) @page1 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月17日 23時

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