32話-his.story- ページ32
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お昼の後の予定は自分に任せて欲しい、と伝えている。
なので、お昼ご飯のお店を出たあとのAちゃんは
分かりやすいくらいにそわそわしていた。
｢この後どこ行くんですか？｣
川尻｢ひとまず電車やねぇ｣
｢え！行先教えてくれないの？｣
川尻｢へへ、まだ内緒〜｣
｢…蓮くんのその顔はよからぬ事を考えてるやつだ！｣
川尻｢ええ、酷いなぁ｣
右手でキャリーと荷物を持ち、
空いた左手を差し出す。
何やら警戒していたらしいが、すぐ嬉しそうに握ってくれた。
そんな少しのやり取りでさえこんなにも心臓を掴まれてしまう。
本当に彼女は恐ろしい。
宣言通り電車に乗り、
Aちゃんの実家のすぐ近くの駅で降りたあとは
コインロッカーに荷物を預けた。
｢蓮くん？｣
川尻｢んー？｣
｢なんか、緊張してる？｣
川尻｢へ、｣
｢あれ、気のせいかな…｣
荷物を押し込んでいた俺の後ろで うーむ、と首を傾げるAちゃん。
……本当に、恐ろしい。
自他共に｢隠すのが上手い｣って言われてきたのに
半年ぶりの彼女には見透かされてしまう。
駅のすぐ外にある広場は休日ということもありよく賑わっていた。
そんな中にピンクに染めた青年が
そわそわ立ち尽くしてるのを見つける。
ほぼ同時で見つけたAちゃんが彼の名前を呼んだ。
｢拓実?! え、偶然…！どうしたん！はっ、まさかデート?!どないしよ、お姉ちゃんも挨さ｣
川西｢姉ちゃ落ち着いて。俺が待ってたの2人やから｣
｢え？｣
川尻｢お父さんとお母さん、もう来てるん？｣
｢えッ?!｣
川西｢んーん、もう少しかかりそう｣
｢待って待って、どういうこと?!｣
1人置いてけぼりなAちゃんが勢い任せに俺の腕を掴む。
どんなときも100％のリアクションだなぁ。
もっと意地悪したくなる衝動をどうにか堪えて
肩掛けカバンの中からファイルをひとつ取り出す。
規則正しく並ぶ四角い記入欄。
お互いの名前を書く部分には箔押しされてる特別なやつ。
彼女に差し出す手は情けなくも震えていたが、
書類を前にAちゃんは目を見開いたまま
固まっていたので気づいていないだろう。
川尻｢…夫婦になりたい気持ち、変わっとらん？｣
｢ふうふ…｣
川尻｢…答えは今じゃなくていい。
やけど、ご両親に挨拶させて欲しくって｣
｢…蓮くん……｣
川西｢ま、すごく会いたがってたのウチの両親の方やけどな｣
｢……｣
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Shiu(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまってすいません…！最近ようやく私生活が落ち着き、他作品から完結に向けてお話を進めています。こちらのお話もきちんとした形に終わるよう更新する所存です、もし良ければお待ちいただけると幸いです…！ (4月10日 21時) (
レス) @page29 id: de23370fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 感情移入して泣きそうになりました…更新楽しみにしてます… (10月1日 3時) (レス) @page29 id: 69b32d86ae (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ななしさん» こんばんは！暖かくやさしいコメントをありがとうございます…！終盤直前で停止させてしまってすいません(；-；)完結させたい気持ちはとてもあります！また楽しく読んでいただけるようがんばります!!励みになりました、ありがとうございます！ (6月21日 19時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメント失礼します。主人公の性格も蓮くんも人間らしくて素敵で、読んでいて落ち着く(表現変かもしれません)お話でした⋯！更新まったり楽しみにしています✨ (2022年6月20日 15時) (レス) @page29 id: 791bab0b0f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ^^さん» コメントありがとうございます！数少ない小説の中から見つけて下さりありがとうございます(*´-`*)妄想空想こじらせた小説ですが、実際の蓮くんはもっとかっこよくて魅力的な方です…！ぜひ堕ちましょう💓💞更新頑張ります！ (2022年6月9日 5時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiu
| 作成日時：2021年9月8日 2時
