28話 ページ28
．
川尻「俺、真面目やけん。面白みない男やよ」
「そんなこと…」
川尻「どんなときも楽観的に捉えられる
Aちゃんのこと、いいなぁって思っとる」
「私だって、蓮くんってすごい人間だなぁって思ってます」
川尻「んははっ」
私の両手を握ったまま、嬉しそうに笑う蓮くん。
そっか。うん。って丁寧に頷いて、
笑みを崩さぬまま私の方を向いた。
もう、視線が交わることを怖いと感じる自分はいなかった。
川尻「もっと、
「……？」
川尻「さっきも言っとったけど、Aちゃんと別れる気はないよ」
「…うん」
川尻「もし俺がアメリカに行っても、
例えAちゃんが宇宙に行っても、」
「宇宙？！」
川尻「んははっ！例えやけん！」
「蓮くんが言うと冗談に聞こえないんですって…」
キュイーっと独特な声を発しながら笑う。
蓮くんは片手で私の頭を撫で、
そのまま髪の先まで指でなぞっていった。
その動作があまりにも自然で、私はただされるがままになるだけ。
川尻「お互いどこに行っても、ずっと一緒に居て欲しい」
「……」
川尻「……意味わかっとる？」
「…………」
正直に首を傾げる。
蓮くんは んふふ と楽しそうに笑って、
それからまた私の手を握った。
ほのかに、左手の薬指に触れた気もする。
川尻「僕のお嫁さんになってほしい」
力強く、そう告げられた。
お嫁さん…俺の……、ん？お嫁さん…？
「……え、っ?!えっ?!えぇっ?!」
川尻「だめ…？」
「だめっていうか、え、い、いいんですか?!私ですよ?!」
川尻「Aちゃんやけん、よかと」
「えっ…ええぇ……?!」
思わず後ずさりする私に、
容赦なく詰め寄る蓮くん。
甘えた子犬のように目を見つめてくる彼は
あざとさの覇者だろう。
これを計算でしているのなら、
危険人物として取り締まるべきだ。
この状況で取り締まられそうなのは、私の方だけれど。
なんて関係ないことが頭をめぐり、
心臓はバクバクと暴れて騒ぐ。
ただでさえ冷静ではいられない私に、
蓮くんはトドメの一言を放った。
．
川尻「俺……たぶんAちゃんが思ってる以上に、
Aちゃんのこと好きよ？」
「ひぇ……」
効果抜群、戦闘不能です。
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Shiu(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまってすいません…！最近ようやく私生活が落ち着き、他作品から完結に向けてお話を進めています。こちらのお話もきちんとした形に終わるよう更新する所存です、もし良ければお待ちいただけると幸いです…！ (4月10日 21時) (
レス) @page29 id: de23370fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 感情移入して泣きそうになりました…更新楽しみにしてます… (10月1日 3時) (レス) @page29 id: 69b32d86ae (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ななしさん» こんばんは！暖かくやさしいコメントをありがとうございます…！終盤直前で停止させてしまってすいません(；-；)完結させたい気持ちはとてもあります！また楽しく読んでいただけるようがんばります!!励みになりました、ありがとうございます！ (6月21日 19時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメント失礼します。主人公の性格も蓮くんも人間らしくて素敵で、読んでいて落ち着く(表現変かもしれません)お話でした⋯！更新まったり楽しみにしています✨ (2022年6月20日 15時) (レス) @page29 id: 791bab0b0f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ^^さん» コメントありがとうございます！数少ない小説の中から見つけて下さりありがとうございます(*´-`*)妄想空想こじらせた小説ですが、実際の蓮くんはもっとかっこよくて魅力的な方です…！ぜひ堕ちましょう💓💞更新頑張ります！ (2022年6月9日 5時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiu
| 作成日時：2021年9月8日 2時
