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 視点 なし


禪院
「 ウチ…禪院家はな
 御三家って呼ばれるエリート呪術師の家系なんだよ 」


禪院
「 オマエ、呪術師に必要な最低限の素質って分かるか? 」


乙骨
「 えっ、何かなぁ… 」


禪院
「 呪いが " 見える " ことだ 」


乙骨
「 あ、そっか 」


禪院
「 一般人でも死に際とか特殊な状況で見えることがあるけどな 」


 そう言うと禪院はかけていた丸眼鏡を外す。


禪院
「 私はこのダセェ眼鏡がねぇと呪いが見えねぇ 」


禪院
「 私の呪具は初めから呪力がこもってるモンで
 私がどうこうしてるわけじゃねぇ 」


乙骨
「 …、 」


禪院
「 おかげで家出られたけどな!! 」


禪院
「 飯は不味ぃし、部屋は狭ぇし、知らねぇオッサンが
 うろついてっし、本っ当最悪だったわ!! 」





 " 苗字で呼ぶな "



 " 呪力のことは私に聞くな "



 " オマエみてぇに呪いに耐性があるわれじゃねーんだよ "





乙骨
「 真希さんはどうして呪術師を続けるの? 」


禪院
「 私は性格悪ぃかんな 」


禪院
「 一級術師として出戻って
 家の連中に吠え面かかせてやるんだ。 」


禪院
「 そんで内から禪院家ブッ潰してやる… 」


禪院
「 んだよ 」


乙骨
「 いや、真希さんらしいと思って 」


乙骨
「 僕は真希さんみたいになりたい 」





 " アンタなんか生まなきゃ良かった "



 " 禪院家の恥め!!! "



 " 皆、真希みたいになっちゃ駄目よ "





乙骨
「 強く真っすぐ生きたいんだ。 」


乙骨
「 僕に手伝えることがあったらなんでも言ってよ
 禪院家ぶっ壊そーなんて 」


禪院
「 バーカ一人でやるから意味があんだよ 」


乙骨
「 あ 」


禪院
「 部屋戻るわ 」


乙骨
「 うん、またね 」


禪院
「 … 」


禪院
「 馬鹿か私は 」


禪院
「 認められた気になってんじゃねーよ 」










夏油
「 " 闇より出でて闇より黒く その穢れを禊ぎ祓え " 」










乙骨、禪院
「 !! 」










 どこからか声がして、高専を覆うように帳が下りてくる。


乙骨
高専(がっこう)に " 帳 " が下りてる!!! 」


乙骨
「 誰が…どうして!??? 」










夏油
「 君がいたか 」


禪院
「 いちゃ悪いかよ 」


禪院
「 てめぇこそなんでここにいる 」


夏油
「 悪いが猿と話す時間はない 」


 パキパキと音を鳴らして闇から呪霊が湧いてくる。



 高専に侵入した夏油の前に呪具を持った禪院が立ちはだかった。

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/  
作成日時:2024年3月25日 20時

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