拝啓 四神を操る先輩へ ページ22
拝啓 四神を操る先輩へ
乙骨 視点
A
「 俺ね、元は西園寺グループっていう
良いところのボンボン…っていうか坊ちゃんだったんよね。 」
乙骨
「 西園寺グループ… 」
A
「 知ってる？ 」
乙骨
「 昔少しだけ聞いたことが… 」
A
「 まぁ、それなりに有名なんだけどね…
昔は苦労したんだ。 」
乙骨
「 やっぱそういうところの子供は英才教育みたいな…？ 」
A
「 まぁ、そんな感じなんだけどね、
それもこれもぜーんぶ、俺の母親が死んだからなんだ。 」
乙骨
「 先輩の母親…、 」
A
「 うん、この人なんだけどね、 」
と、先輩は首から下がっていたロケットペンダントを
僕に見せてくれた。
乙骨
「 …！ 」
写真には三人の人、
そのうちの一人は恐らく小さい頃の先輩だった。
乙骨
( 残り二人は先輩のお父さんとお母さんかな…？ )
A
「 …母親が死ぬまでは凄い幸せだったんだ。
父親も俺のこと優先で… 」
A
「 だけどさっき言ったように母親が死んでから
父親は完璧主義者と成り果てた。 」
乙骨
「 ！ 」
A
「 文武両道…勉学も運動もできなかったら
すぐに手をあげられた。 」
乙骨
「 …でも先輩今ここにいますよね…
どういう関係で呪術のことを知ったんですか？ 」
A
「 …物心がついた時から術式が使えてたんだ。 」
乙骨
「 先輩の術式…？ 」
A
「 そ、…これが俺の術式 」
A
「 " 四神操術 南 朱雀 " 」
乙骨
「 ！！ 」
先輩が何かを唱えると、青い空に真っ赤で大きな鳥が現れた。
A
「 …これ以外にも出せるんだけどね、 」
A
「 でもこれは親には言わなかった、
…直感だけど言ってもどうしようもないと思って… 」
A
「 …んで、高校生に上がった時に思いきって家を出て来たんだ。 」
A
「 その後の俺がコレ 」
と、先輩はスマホの写真フォルダを再び見せてくれた。
乙骨
「 こ、これ先輩ですか…！？ 」
A
「 そ、荒れ狂ってた時の自分、
…ちなみに撮ったのは五条先生 」
乙骨
「 ご、五条先生… 」
スマホの画面には、恐らく先輩であろう金髪の人が
中指を立てていた。
A
「 昼夜問わず街にいた呪霊を自分の術式で殺していた。 」
A
「 そんな中で五条先生と出逢ったんだ。 」
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作者名：珀 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/
作成日時：2024年3月25日 20時
