" 元 " ボンボン、" 元 " ヤンキー、" 現 " 一級術師【呪術廻戦】弐 (ページ17)

今日:16 hit、昨日:54 hit、合計:10,798 hit

　＿ページ17

　乙骨視点

　竹刀袋から刀を取り出して、呪霊の元へと戻る。

里香
『やっちゃえゆ゛う゛たぁあ』

呪霊
『オ゛？オ゛オ゛ォ゛』

呪霊
『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛』

乙骨
「！！」

乙骨
( 怒った！！なんで！？？
　ただでさえおっかないのに！！ )

　※答え里香ちゃん

　
乙骨
「ふー… 」
( 目を離すな、足を止めるな、刀に呪いを込める…！！ )

　ドォォン、と大きな音がしてさっきまで立っていた場所が
　崩れ、穴があく。

　

乙骨
( 狗巻くんは優しいんだ＿＿＿ )

乙骨
( 不用意に人を呪わない為に、
　呪いの籠らないおにぎりの具で話してるんだよね？ )

乙骨
( 今日だって助けてくれた
　危険から遠ざけようとしてくれた )

乙骨
( あの時も緊張してた僕に気を遣ってくれてたんだよね？ )

乙骨
「！！」

　集中して呪霊の背後に回り込んで刀で斬る。

呪霊
『ゾら』

乙骨
( 浅い、ってゆーか硬い！！ )

　一瞬の油断、

　左半身が光線に被さる。

乙骨
「！！」

乙骨
( 僕はまだこの呪いに敵わない、 )

乙骨
( でも！！ )

　呪霊の足元を潜り抜け、
　狗巻くんが落とした喉薬を引っ掴む。

乙骨
「狗巻くん！！」

　呪霊の上を通過した喉薬を狗巻くんは壁を蹴ってキャッチした。

乙骨
( 狗巻くんの優しさには絶対応える！！ )

狗巻
「っ…！」

狗巻
「 " 潰れろ " 」

呪霊
『ば？』

　ミリリ、ブチュン、と嫌な音が鼓膜に届き、
　呪霊は呪言通り潰れた。

乙骨
「すご… 」

狗巻
「高菜！！」

乙骨
「あっ、大丈夫大丈夫、カスっただけだから、」

　狗巻くんは僕に手を出した。

乙骨
「 …！」

狗巻
「しゃけ」

乙骨
「うんお疲れ！」

　商店街に乾いた音が響いた。

　里香ちゃんの呪いを解いたら僕はもう普通の人間、

　呪術高専には、いられなくなるけど、

　それまでに少しでも皆の約に立ちたいな。

乙骨
「あ、 " 帳 " どうしよう！！」

？
「残念」

？
「噂の里香ちゃんを見にきたのに、」

？
「同じ特級、早く挨拶したいなぁ。」

？
「落とし物も届かなきゃだし。」

　商店街の鉄骨辺りに五条袈裟を着た謎の男が
　乙骨と狗巻を見下ろしている。

　その手には乙骨の学生証が収められていた。