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…
運転席におみくんがいるって
なんか新鮮かも…
なんの心配も要らない運転に、本当にニコニコしてるだけになっちゃった。
『 飲む?』
「 んー、飲む 」
お仕事で疲れてるのに
運転してくれて、頭が上がらない
少しでもお手伝いしたくて、
ペットボトルにストローをさして渡した
けど、
「 あ 」
『 ん…? 』
「 あ 」
飲ませて
そんなふうに開けられた口
喉にストロー刺さらないかな…
恐る恐る口元に持っていく
すると、
おみくんがぷって吹き出した
「信号で止まってるし、
そんなビクビクしなくていいデショ笑 」
『だって!大事な喉だよ…!』
「あはは、ありがと笑 」
そんな感じで
終始ふわふわした雰囲気で進むドライブ
景色は都会の街から
緑が多い場所へ。
.
お昼すぎから出発して
気づいたらあっという間に陽が傾いていた。
「 あと少しで着くよ 」
『 あ、うん … 』
車が進んでいくにつれて
見たことがある景色がドンドン増えていく。
違う県に移動したことは分かってたけど
まさか…
ただの偶然?
おみくんが車を停めるまで、ドキドキしたまま流れる景色を眺めた。
.
「 お待たせ。着いたよ 」
停車した車の窓からみえるのは
懐かしいレストラン
たしかに、このお店は美味しくて素敵な場所なのに、人が少ないし客層が高め
落ち着いていて食事をしたい人にはうってつけだな、なんて1人で納得。
エスコートするように、助手席が開けられた
「 お手をどうぞ 」
差し出された手にゆっくり添えたら
優しく引かれた
「 … 遠出、疲れた? 」
心配そうに覗き込まれて
ハッとした
私の考えてることが分かっていないおみくんからしたら、相当不機嫌にみえたかも…
『 ううんっ、そうじゃないの…
運転してくれてありがとう 』
「 いーえ。
少しでもしんどくなったら教えて 」
ふわりと頭を撫でられて
おみくんの優しさに 胸がキュンって鳴った
…
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作者名:miu:miku | 作成日時:2020年9月15日 22時