End of Line 2 【登坂広臣】 (ページ13)

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…

岩田さんのおかげで、沈みこんでた気持ちがいくらか軽くなっていた。

眉間によった皺をぎゅって押されて

「ほらぁすぐソレする～」

『ふふ、ごめんね』

「あ！ほら！笑った顔、やっぱりかわいい」

にこにこーって笑った顔は
おちょくってる訳じゃなさそうだけど、逆にそれが少し恥ずかしい

岩田さん呼びも、彼のペースでいつの間にか、岩ちゃんに変わっていて。

『岩ちゃんは？あぁいうソロの撮影しないの？』

まだ撮影が続くおみくんと恵梨華さん

それを横目に
岩ちゃんに聞いたら

「んー、するよ？

けどねぇ…

____________ あ」

『 … あ？』

考える仕草をしていた岩ちゃんが、パって顔を上げた

不思議そうなわたしをみて
ニヤリと笑ったと思ったら

「ちょっとまってて！？」

やばい！名案すぎる！

そう言いながら、どこかに行っちゃった…

.
.
.

それから少しして、岩ちゃんがさっきまで撮影を進めていた男性と女性のスタッフを2人連れてきた

なんで…？

ニコニコしてる岩ちゃん

「初めまして。今日、撮影の総まとめをやらせてもらってる太田です。

よくヒロさんとお仕事させてもらってます」

『…初めまして』

太田さんがなんで私に…？

「岩ちゃんから提案を受けて、

ぜひあなたにも撮影に協力して頂けないかと思いまして、挨拶しました」

『……え？』

「ヒロさんからも許可でてる！
よかったら俺の撮影のペアになってくれない？」

『！？』

「本名を一切公表しないこと。
そして、アナタが納得したら、"撮影"という仕事にするって言って貰えたんだ」

私の知らない水面下で
凄いことが起こっていた。

ニコニコしたままの岩ちゃんが怖い

「 "LUNA"が初めて表に出るお仕事になるなら、

彼は最適なパートナーだろうって。」

どうしていいか分からなくて
俯くわたしに、

「不安？」

覗き込むようにして岩ちゃんが声をかけた

優しく握られた手が暖かくて、

『 … わたし、っ… 』

その手を握る返す力を強くした

負けっぱなし
言われっぱなしなんて、悔しい

守ろうとしてくれたヒロさんに、突拍子もない行動で覚悟を示してみるのもいいのかもしれない

こちらを心配そうに見てる彼に

並べるように、なりたい

…